2014年11月30日(日)
主張
政治資金収支報告
企業献金も政党助成金も廃止
総選挙の公示を目前に各政党や政治家の活動が国民の注目を集めるなか、2013年分の政治資金収支報告書(総務相届出分)が公表されました。改造後の安倍晋三政権では「政治とカネ」の問題が相次ぎ、2人の閣僚が辞任しました。自民党などの政党が金権腐敗政治の温床である企業・団体献金の受け取りを続け、国民の思想・信条に反して税金で賄われる政党助成金に依存していることが、「政治とカネ」の問題があとを絶たない背景です。企業献金も政党助成金も受け取っていない日本共産党こそが、国民の信頼に応えられる政党なのは明らかです。
安倍政権で企業献金急増
政治資金の公開は、政党などの活動が「国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」(政治資金規正法)のものです。政治資金は、政党や政治家の活動を映し出す鏡です。
13年分の政治資金収支報告書によると、自民党は本部収入の1割近くの20億円が政治資金団体の国民政治協会などを通じた企業・団体献金で前年比4割も急増、支部の収入の約4割も企業や政治団体の献金です。安倍政権に期待して、大企業の企業献金も、資金集めのパーティーを利用した形を変えた企業献金も急増しています。一方、政党助成金への依存度は、自民党本部が64・6%で、民主党本部の場合は82・5%にのぼります。
自ら選挙権をもたない企業の献金はもうけを増やすのが目的で、政治をゆがめる、金権腐敗政治の温床です。企業・団体献金の弊害があまりにひどいので、その廃止を理由に、国民1人当たり年間250円の税金で賄う政党助成金を導入したのに、企業献金はもらい続け、助成金も受け取るのは文字通り国民への背信行為です。
政党の財政は本来、党員が負担する党費や支持者からの個人献金、政党独自の事業活動などで賄うべきなのに、企業献金を受け取ったうえ、政党助成金にどっぷり依存すれば、政党として当たり前の党員を増やし、国民との結びつきを広げる活動が弱くなります。政党としての堕落、衰退です。「政治とカネ」をめぐる疑惑があとを絶たないのも政党としての堕落を示すものです。
政党だけでなく政治家も同じです。後援会の観劇会などの経費を立て替えた疑惑で経済産業大臣を辞任した小渕優子氏は、自民党本部から交付される政党助成金の受け皿となる選挙区支部のほか、法律で禁じられている政治家個人への企業献金を受け取るため、別の自民党支部もつくっていました。ほとんどの自民党議員なども同じやり方です。安易な資金集めが乱脈なバラマキを繰り返させているのです。
「身を切る」というなら
政党助成金制度が導入されて以来の20年間、日本共産党以外の政党が受け取った政党助成金は6316億円にものぼります。自民党などが「身を切る改革」というなら、国民の意思が届かなくなる議員定数の削減ではなく、まず政党助成金を廃止すべきです。
日本共産党は一円の企業献金も受け取らず、憲法違反の政党助成金もきっぱり受け取りを拒否しています。収入も支出も、機関紙活動によるものが大部分です。この党が伸びてこそ、日本の政治から金権腐敗を一掃し、国民のための政治をすすめることができます。