2014年11月28日(金)
主張
集団的自衛権行使
「戦争する国」許さない党こそ
安倍晋三首相は衆院解散後初めての街頭演説(26日)で、集団的自衛権の行使を容認した今夏の「閣議決定」について「地域や世界の平和を守っていく責任を果たすために有意義な決定」だと自画自賛し、来年の通常国会で法制化する考えを示しました。「海外で戦争する国」づくりへのあからさまな表明です。総選挙では、憲法9条を破壊し、戦後日本の国のあり方を根底から覆す歴史的暴挙の「閣議決定」を撤回させる審判を下すことが重要です。
若者の命を脅かす
安倍政権が国民の反対の声の広がりを無視して強行した7月1日の「閣議決定」は、米国がアフガニスタン報復戦争(2001年)やイラク侵略戦争(03年)のような戦争を起こした際、自衛隊が、これまでは禁止されてきた「戦闘地域」での軍事活動(補給、輸送などの兵たん活動)を行えるようにするところに大きな狙いと実際の危険があります。
自衛隊が「戦闘地域」で軍事活動を行えば攻撃対象になるのは明らかであり、日本共産党の追及に、安倍首相は攻撃されれば武器を使用することを認めています(7月15日、参院予算委員会)。日本を「殺し、殺される」国にすることであり、「地域や世界の平和」とは無縁な姿です。
「閣議決定」の重大性は、日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定に向けて日米両政府が10月8日に公表した「中間報告」でも明瞭です。現行ガイドラインは、日本の「周辺事態」で自衛隊が「後方地域」=「非戦闘地域」で米軍支援を行うことを決めたものです。ところが、「閣議決定」を「適切に反映」するとした「中間報告」は、「周辺事態」「後方地域」という「制約」を取り払い、米国の地球規模の戦争に日本が参戦し、自衛隊が「戦闘地域」まで行って米軍と一緒に軍事活動をする方向を打ち出しました。“若者が血を流す”重大な内容です。
日本共産党は、日本の未来と若者の命を脅かす「閣議決定」の撤回、ガイドライン再改定や「海外で戦争する国」づくりのための法改悪など「閣議決定」を具体化する一切の作業の中止を求めています。憲法9条の精神に立った外交戦略で北東アジアの平和と安定を築く道を示しています。
民主党は、選挙政策で「立憲主義に反する」と「閣議決定」撤回を求めていますが、集団的自衛権行使そのものについての態度は決まっていません。ガイドライン再改定についても、国内法整備が後回しになっていると批判しつつ、「議論は進めるべき」だとの立場(10月9日、枝野幸男幹事長)です。「海外で戦争する国」づくりに対抗する足場はありません。
維新の党は、他国への攻撃であっても日本の存立が脅かされる場合の「自衛権」行使を憲法解釈で認め、「必要な法整備を実施する」(選挙公約)と、「閣議決定」と同じ立場であり、自民党の補完勢力であることは明らかです。
平和守る確かな力
安倍政権の暴走の中で、日本は今、戦争か平和かの歴史的な岐路に立っています。日本共産党は党をつくって92年、一筋に反戦平和を貫いてきました。この党が躍進することこそ、「海外で戦争する国」づくりを阻止する確かな力となります。