2014年11月26日(水)
維新の党 選挙公約
「補完勢力」鮮明に
弱肉強食で格差拡大
維新の党の選挙公約(22日発表)は、「失われた『第三の矢』を、維新の手で」と、相変わらず自民党の“補完勢力”としての立場を鮮明にしています。
「既得権益とたたかう成長戦略」などといって、国民生活や営業を守るルールを壊し、大企業や富裕層がもうかる“弱肉強食”の徹底を叫んでいます。
民意削り大増税
消費税増税については、「10%の先送り」は主張するものの、「身を切る改革」をやってから、というのが理由です。しかも「身を切る」中身は、国会議員定数の3割削減や公務員給与の2割削減などです。これらと引き換えに増税を押し付けるものであり、民意を削り、公共サービスの質を低下させる議論です。税金を政党が分け取りする政党助成金には一切、手をつけようとしていません。
さらに、「身を切る改革」後は、消費税大増税が待っています。維新は、消費税を地方税化して自治体の「基幹財源」と位置づけることで、地方財源を確保するために税率が自動的に引き上がる仕組みを導入しようとしています。
一方、富裕層・大企業に対する優遇税制には、まったくメスを入れません。
橋下徹大阪市長が主張するカジノ解禁や、地下鉄・バスの民営化をはじめ、上下水道の民間開放、空港民営化など、国民の願いより財界・大企業の要求に応える内容となっています。
再稼働認める
原発も、電力自由化を推進すれば「既設原発は市場競争に敗れ、フェードアウトへ」というだけ。再稼働自体は認める考えです。
社会保障では、「医療・福祉の成長産業化」などとして、医療や保育分野などへの「株式会社の参入促進」を主張。混合診療の解禁、年金の支給開始年齢の段階的引き上げを公約するとともに、バウチャー(利用券)制度を導入するなどといって教育や保育の市場化を進めようとしています。
新基地押し付け
安全保障政策では、「現実的な外交・安全保障政策を貫く」などといって、集団的自衛権行使容認の姿勢を打ち出し、「必要な法整備を実施する」としています。「首相公選制」「道州制」の導入を掲げて、改憲を後押しするなど、自民党の“補完勢力”姿勢は鮮明です。
沖縄県名護市への米軍新基地建設についても、「合意可能な基地移設」として押し付ける姿勢で、アメリカにモノが言えません。
アメリカに食料主権・経済主権を明け渡す環太平洋連携協定(TPP)も「積極的に関与し、地域の新しいルール作りをリードする」と表明しています。 (佐藤高志)