2014年11月26日(水)
大企業は「改善」 個人消費「弱さ」
11月の経済報告 雇用は下方修正
甘利明経済財政担当相は25日、11月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出しました。国民を犠牲にして大企業を潤す「アベノミクス」(安倍政権の経済政策)効果によって、大企業の収益は「改善」したとする一方、個人消費の弱さを指摘。雇用情勢の判断も下方修正しました。
10月まで2カ月連続で下方修正していた景気の基調判断を据え置き、「弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」としました。ただ、「このところ弱さがみられる」としていた10月の基調判断を、「個人消費などに弱さがみられる」に変更。これは「景気の弱さの中心は個人消費にある」(内閣府幹部)と判断したためです。先行きについても「消費者マインドの低下」に懸念を示しました。消費税増税と円安による物価上昇が、個人消費に悪影響を与えていることを政府としても認めた形になりました。
企業収益については、7〜9月期の上場企業の経常利益が前年比で伸びが高まっていることなどを受け、「大企業ではこのところ改善の動きもみられる」と1年ぶりに上方修正しました。
一方、雇用情勢については「有効求人倍率の上昇には一服感が見られる」として、判断を下方修正しました。9月の全国有効求人倍率が3年4カ月ぶりに悪化したことを反映しました。