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2014年11月24日(月)

NHK日曜討論 小池副委員長の発言

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 日本共産党の小池晃副委員長は23日、NHK番組「日曜討論」に出演し、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や消費税10%増税の「先送り」実施、原発政策について与野党の代表者と議論しました。


総選挙

2年間の安倍政治の全体が問われる

 冒頭、各党が総選挙で何を訴えるかが話題に。「安倍政権の経済政策について信を問いたい」(自民・稲田朋美政調会長)、「安倍政権のごうまんな国会運営を変える」(民主・福山哲郎政調会長)とのべるなか、小池氏はこう語りました。

 小池 2年間の安倍政治の全体を問う選挙です。消費税増税、雇用破壊で暮らしは大変です。消費税増税の中止、暮らし第一で経済を立て直す。さらに集団的自衛権行使で日本を戦争する国にしていいのか。原発再稼働か、それとも「原発ゼロ」の日本にするのか。沖縄の民意を踏みにじって新基地建設強行していいのかが問われる選挙です。地震などの災害から命と暮らしを守るのも大事な課題です。私たちはどんな問題でも対決、それだけでなく対案を示す。そして幅広い人々と共同する。共産党の議席を増やして、暴走ストップ、政治を変えようと大いに訴え、躍進したいと思います。

アベノミクス

「暮らし第一」で賃上げ・雇用を支える方向に

 アベノミクスの現状が話題に。自民・稲田氏は「雇用が100万人増えた」などあれこれの数字をあげ“成果”を誇示し、「確かに実質賃金(が15カ月連続減)の問題はあるが、流れを止めてはいけない」と語りました。他党が「規制緩和が進んでいない」(維新・柿沢未途政調会長)などとアベノミクスの土俵上で議論をするもとで、小池氏はこうのべました。

 小池 道の方向がまったく間違っています。「実質賃金(の問題)がある」と軽く言いますが、実質賃金が下がるということは、生活が苦しくなっている、重大な問題です。(国民の)8割以上が「(アベノミクスの効果を)実感していない」といっている。

 「企業が世界で一番活躍しやすい国にする。いずれ国民、中小企業に回っていく」。このやり方は何度やっても失敗しています。このやり方を転換して、「暮らし第一」で賃金をあげる、雇用を支える。TPP(環太平洋連携協定)なんて絶対やってはいけない。農業と中小企業を支えてこそ、日本の経済は立ち直っていくし、大企業の経済活動だって進んでいく。

 これに対して稲田氏は「消費税を上げた影響があった。まだ道半ば」と弁解。一方で、「雇用状況はよくなっている」と強弁し、公明党の石井啓一政調会長も「雇用全体として改善しているのは事実」と主張しました。小池氏はこう反論しました。

 小池 言っていることと、やろうとしていることが違います。(労働者)派遣法(改定案)に、正社員になる仕組みはありません。その証拠に廃案になったときに、労働組合・労働者から、失望の声はでていません。失望の声を上げたのは派遣会社です。3年という(派遣)期間の上限を撤廃して、いつまでも派遣労働で働かせる仕組みをつくる。「雇用は大事だ」といいますが、なぜ規制緩和か。賃上げが必要だというなら、なぜ最低賃金の引き上げを、中小企業への抜本的支援とあわせてやらないのか。

 私たちは三つ提案しています。一つは人間らしく働ける雇用のルール実現と賃上げ。二つ目は社会保障の切り捨てでなく拡充です。いまいっせいに医療も年金も介護も大負担増計画を出している。こんなことやれば、景気はどんどん冷え込んでしまいます。三つ目はTPPです。こんなことをやれば、農業は壊れます。農業、中小企業を真剣に応援するためにTPP交渉から撤退すべきです。米価の暴落に悲鳴が上がっています。米価を支える緊急対策が必要です。

消費税10%

「別の道」で社会保障財源の確保と財政再建を

 消費税10%の「先送り」実施について、公明・石井氏は「いま足元は厳しい。(増税を)延期し、景気を立て直す。10%に引き上げる景気にする。そのメッセージだ」「景気回復宣言だ」と言い張りました。小池はこう指摘しました。

 小池 足元が厳しくなったのは消費税を増税したからです。しかし次はどんな状況であろうと増税するという。こんな乱暴な話はない。

 今の状態は増税不況です。3党合意で増税した自民、公明、民主の責任は重い。同時に次は「必ず上げる」というわけで、10%増税をやるかどうかが(総選挙の)最大の争点のひとつになりました。

 消費税増税は「社会保障のため」といっていたのに、医療も年金も介護もどんどん悪くなる。「財政再建(のため)」といったのに、法人税は減税する。まったく道理がない。「一体改革」というから、「消費税の増税か、それが嫌なら社会保障を我慢しろ」という議論になるんです。社会保障の財源も財政再建も消費税頼みではなく、「別の道」でつくるという方向でなければならないことを、いまの事態が証明しています。

 社会保障財源や財政再建をめぐって議員定数削減を含む「身を切る改革」(維新)に議論が及ぶもとで、小池氏は「消費税に頼らない別の道」をきっぱりと示しました。

 小池 消費税は「先送り」増税でなく、10%に上げること自体をきっぱり中止すべきです。財政再建といいながら、なぜ法人税を減税するのか。財政再建といえば、「消費税を上げる」しか出てこない。

 消費税は所得の低い人ほど重い、不公平な税金です。これをやれば必ず景気が悪くなる。それがいま証明されています。この間の増税で同じことを繰り返している。消費税増税では、財政再建にならない。目をさますべきです。

 「別の道」でいくべきです。支払い能力に応じた税金の本来の姿に、所得税は富裕層にしっかり負担してもらう。最高税率を引き上げる、累進課税を強化するべきです。法人税減税をやめて、不公平税制をただしていく。あわせて国民の所得が増えないと税収が増えません。一人ひとりの所得を温める。農業や中小企業を応援、雇用を応援する経済改革で税収を増やすべきです。

 消費税を上げたらこれらが全部壊れる。こんな道はもういいかげんにやめたほうがいい。

原発再稼働

原発ゼロで再生可能エネルギーの飛躍的普及を

 番組の最後に原発再稼働が議論となり、自民党は「以前の自民党の『安全神話』とは違う」といいながら、「安全が確認できたら再稼働しなければならない」とのべました。小池氏はこう語りました。

 小池 かつての与党の「安全神話」と、いまの「安全神話」のどこが違うのか。福島の苦しみをどう考えているのか。いまだに12万人を超える人が避難しています。福島(第1原発)の原子炉のなかがどうなっているかわからないのに、どうやって安全基準をつくるのか。まったく間違っています。

 日本はいま「稼働原発ゼロ」が1年2カ月続き、国民の節電努力は原発13基分にのぼるといわれています。「日本社会は原発ゼロでやっていこう」と、国民もそう思っているときになぜ再稼働か。

 さきほど、(電力会社による)再生可能エネルギーの接続(拒否)の問題もありましたが、原発を「ベースロード電源」と位置づけるからです。もっと工夫できます。電力を広域で運用するとか、あるいは揚水発電を自然エネルギーでも使うとか。再生(可能)エネルギーを爆発的に普及させることこそ、地域活性化、地域循環型経済になる。この道に進むべきです。


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