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2014年11月20日(木)

復興補助 返還を請求

宮城 美里町、DIOに4000万円

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 東日本大震災からの「復興」をかかげ国の補助金を使い、企業などの電話応対業務を請け負うコールセンター子会社を東北などで運営してきた株式会社DIOジャパン(東京・本門のり子代表取締役)に対し、補助金の不正使用があったとして宮城県美里町が約4000万円を返還するよう請求をしていたことが19日、分かりました。

 コールセンターは国の緊急雇用創出基金事業で、宮城、秋田、福島などを中心に14の子会社が人材育成事業として運営。美里町は今年1月、株式会社みやぎ美里コールセンターに委託しました。

 補助金は「研修生」の人件費や備品代など事業に関わる全額が対象で支払われていますが、6月ごろから各地の子会社で給与の遅配や不払いが表面化、厚生労働省が実態調査を関係自治体に指示しました。

 美里町が調査した結果、違法性が指摘されている社外研修の名目で他企業に「派遣」した従業員の給与、通勤手当や旅費などでの支出、補助金で賄われるはずの社会保険料の未納、使用されていない100台ほどのパソコンのリース料金が町に請求されていたことなどが判明しました。

 2013年、14年委託分の不正使用額として約4000万円を返還請求しました。

 美里町の須田政好企画財政課長は「不正使用はまったくの想定外だが、従業員からの預かり金や事業者負担分の社会保険料の未納はあまりのモラルハザード(倫理崩壊)だ。不正使用分はきちんと返還してもらいたい」としています。

解説

不正使用の解明 国は力を尽くせ

 DIOジャパンとその子会社による補助金不正使用の実態は、厚生労働省の関係自治体への実態調査の指示にもかかわらず依然、未解明の状況が続いています。

 DIOジャパンは10月30日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請しています。負債総額は10億円強の大型倒産です。

 宮城県美里町の返還請求はそうした中で、同社と子会社の実態に迫った取り組みの結果と言えます。町は町議会全員協議会と連携、DIOジャパンとその子会社が事実上の休業状態になった7月から「コールセンター人材育成事業特別対策本部会議」を繰り返し開き、その間コールセンター従業員からの聞き取り調査を複数回実施、DIOジャパンに対し事業報告書の再提出を迫るなど実態把握に努めました。

 特徴的なのは、日本共産党の国会議員団と宮城県議団による厚労省へのDIOジャパン問題での申し入れに町職員を同行させ、国の対応についても把握するなど、この問題への毅然(きぜん)とした姿勢です。

 厚労省は、緊急雇用創出事業の実施官庁として「DIOジャパンの社会保険料未納を昨年11月に把握していながら、給与未払いなどが表面化するまで放置してきた」(委託自治体関係者)などの責任を明確にし、全容解明に力を尽くすべきです。

 (山本眞直)


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