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2014年11月19日(水)

実質賃金15カ月連続減

アベノミクスで貧困・格差拡大

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 厚生労働省が18日発表した9月の毎月勤労統計調査(確報)によると、物価の変動を反映した賃金水準を示す実質賃金指数(現金給与総額)は前年同月比3・0%低下しました。前年割れは15カ月連続でした。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)によって物価が押し上げられているため、実質賃金の低下が止まらないなど、貧困と格差が拡大する一方です。


 格差拡大は、非正規労働の拡大にも表れています。12年7〜9月期に3327万人だった正規雇用の労働者数は、14年の7〜9月期には、22万人減少。一方、非正規雇用の労働者数は、123万人拡大し、1952万人に達しました。実質の雇用者報酬は、4320億円減少し、61兆8507億円に落ち込みました。

 12年からの1年間で働く貧困層(年収200万円以下のワーキングプア)は、30万人拡大。貯蓄なし世帯の比率は2年間で4・4ポイント増えて14年は30・4%と、3割を超えました。

 庶民の家計の実質収入が減少する中で、実質の個人消費が減少。14年7〜9月期は、12年の同期と比べると2兆1186億円減少し、76兆8117億円に落ち込みました。

 一方、大企業(資本金10億円以上)のもうけは拡大。14年4〜6月期の大企業の経常利益は12年4〜6月期より4兆円以上増え、11兆円を超えました。

 100万ドル(約1億円)以上の資産を持つ富裕層は14年に前年より9万人増え、273万人に迫る勢いです。

 17日に発表された7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は2期連続のマイナスという結果に陥りました。「景気の好循環」を掲げた安倍内閣でしたが、各種の統計資料は、アベノミクスの2年間が大企業や大資産家には巨額のもうけを保証した一方、貧困層が拡大し、物価上昇と消費の冷え込みをもたらし、景気そのものの悪化を招いたことを示しています。 (金子豊弘、杉本恒如)

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