2014年11月13日(木)
沖縄カジノ 新基地一体
反対はオナガさんだけ 知事選
埋め立てと引き換え 現知事が導入求める
安倍政権が、法律で禁じられているカジノ合法化に執念をもやすなか、東京、大阪に後れをとるなと手をあげ、新基地建設の埋め立て承認と引き換えにカジノ構想の国指定を求めたのが沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事です。激しくたたかわれている県知事選(16日投票)でカジノ反対を明確に公約しているのはオナガ雄志(たけし)候補だけです。 (山本眞直)
青い海と空に相いれません (民宿経営ファミリー)
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「2020年実現へ向けて皆さんのご協力をお願いします」と書かれた1枚のチラシがあります。海に沿ったエリアに巨大なホテルや劇場・映画館、アリーナ、テーマパークなどが林立、未来都市を思わせるイメージイラスト―。沖縄県糸満市内で配布されたもので、発行者は「糸満市にIR統合リゾートを実現する市民の会」。
10月には「IR統合リゾートとは」と題した市民フォーラムを市内で開催しています。
IRリゾートは、カジノをメーンにしながら、国際会議場やホテル、映画館などを「集積、統合」させた大規模娯楽イベント施設の総称。沖縄県では県内最大の建設企業、国場組が「カジノ推進で熱心に動いている」(大手ホテル社長)といわれています。
国場組は仲井真候補の最大支援者。スロット遊戯機器の大手企業グループとタイアップして、県内でのカジノ導入の大規模建設構想で動いているとされています。
電通、吉本興業なども普天間基地返還にあわせて、浦添市内の一部返還が決まっている海兵隊基地キャンプ・キンザーなどにIR施設の設置構想を描いています。
こうした動きの背景にあるのがカジノ解禁法案の成立を目指す安倍政権と一体の仲井真県政の対応です。
同県政は、解禁法案でカジノなど大規模統合施設の設置認可・指定へ「手をあげている」のです。
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昨年12月、「新基地の県外移設」との公約を投げ捨て、新基地建設のための名護市辺野古沖の国による公有水面埋め立て申請の「承認」と引き換えに「IR統合施設」導入認可を官邸に「要請」しました。
安倍首相は「しっかりと受け止め、最大限実現するよう努力する」と約束しました。
一方、経済界からはこうした動きをけん制する発言もあります。観光業大手、JTBの高橋広行社長は「カジノよりもまだ隠れている(沖縄の)潜在的な魅力を磨き上げていくのが大事だ」(琉球新報8日付)と批判します。
カジノ構想のイラストチラシを手に、「これは沖縄ではない」と拒否するのは糸満市で民宿「ヤポネシア」を営む福永コースケさん(43)、きょうこさん(41)夫妻です。
「カジノはギャンブル依存症や青少年への悪影響など、青い海と空という豊かな自然により癒やされる沖縄のよさにひかれて訪れる観光の島とは相いれない。修学旅行や家族連れの客が来られなくなる。県知事選では、沖縄の自然と豊かさを壊すカジノ、新基地に反対するオナガさんを応援しています」