2014年11月11日(火)
日中首脳2年半ぶり会談
【北京=山田英明】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のために訪中している安倍晋三首相は10日、北京市内で中国の習近平国家主席と会談しました。日中首脳会談が開かれたのは約2年半ぶり。安倍首相は会談後、北京市内で記者団にたいし、「日中両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻って関係を改善させていく第一歩となった」と強調しました。
日本政府による尖閣諸島(中国名・釣魚島)の「国有化」への中国側の反発や、安倍首相の靖国神社参拝の強行などで両国関係が悪化し、これまで約2年半の間、日中首脳会談は開くことができませんでした。日中首脳会談は、12年5月に野田佳彦首相(当時)と中国の温家宝首相(同)が会談して以来となります。
安倍、習両首脳の会談では、東シナ海での両国の偶発的衝突を防ぐための「海上連絡メカニズム」について、「実施に向けて具体的な事務的な作業に入る」(安倍氏)と確認しました。
習氏は、安倍政権の歴史認識問題について「13億人の中国人民の感情にかかわる問題だ」と発言。中国側の発表によると、さらに、「日本側は中日間政治文書および『村山談話』など歴代政権の約束を誠実に守ってはじめて、アジアの隣国と未来志向の友好関係を発展させることができる」と述べました。
日本政府高官によると、安倍首相はこれにたいし「安倍内閣も歴代内閣の歴史認識の立場を引き継いでいる」と応じました。
また、中国側の発表によれば、習氏は、安倍内閣による集団的自衛権行使容認の閣議決定や改憲の動きを念頭に、「日本が引き続き平和の道を歩み、慎重な軍事安保政策をとることを希望する」と求めました。