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2014年11月6日(木)

きょうの潮流

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 アフガニスタンで井戸を掘り、用水路を造るなどの支援活動を続ける医師の中村哲(てつ)氏が、地球温暖化に直面した同国の現実について書いています。「この国を根底から打ちのめしたのは、内戦や外国の干渉ばかりではない。最大の元凶は、二〇〇〇年夏以来顕在化した大旱魃(かんばつ)である」(『天、共に在り』)▼同国は、6千メートル、7千メートル級の山々に覆われる山国です。高山の万年雪が夏に解け出して、地下水や河川の水量を安定させ、広大な農地への水の供給源になっていました▼しかし、東部の山麓地帯では万年雪が年々減少。気温の上昇で、積雪がたとえ多くても春から夏にかけて急激に解けて「あっという間に雪が消えてしまう」と。氏は、ハンセン病を中心とした貧困層の治療のために開設した診療所周辺の激変をこう書いています▼「一時は一木一草生えない砂漠に帰した。渓谷の住民たちは一斉に村を空けて退避、栄養失調と脱水で倒れる子供たちが急増し、赤痢で死亡する者が後を絶たなかった。飢えや渇きを薬で治すことはできない」。氏が医療支援と同時に水源確保に取り組むことになった理由です▼国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、地球温暖化に関する第5次の統合報告書を公表しました。温室効果ガスの排出がこのまま続けば、人類や生態系に後戻りできない影響を及ぼす可能性が高まると警鐘を鳴らします▼氏の一文に目が止まりました。「今ほど切実に、自然と人間の関係が根底から問い直された時はなかった」


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