2014年11月2日(日)
赤旗まつり 討論 新基地ノー、「オール沖縄」の願い実現へ
沖縄・全国 熱い連帯
パネル討論「新基地ノー、『オール沖縄』の願い実現へ―県知事選でオナガ氏勝利を」が1日午前、赤旗まつり野外ステージで開かれました。いまたたかわれている沖縄県知事選(16日投票)の意義と争点について、「オール沖縄」の代表として立候補したオナガ雄志(たけし)氏と、新基地予定地を抱える名護市の稲嶺進市長のビデオメッセージを交え、元宜野湾市長の伊波洋一氏、ジャーナリストの吉田敏浩氏、日本共産党の田村智子参院議員、沖縄から電話出演した赤嶺政賢衆院議員が討論しました。
伊波さん 負担減どころか被害増
吉田さん 権力の横暴 目の当たり
田村さん 「抑止力」は「ユクシ(うそ)」
赤嶺さん 安倍内閣対県民の様相
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4年前の知事選をたたかった伊波氏は、仲井真弘多知事が、基地の県外移設を訴えて当選したにもかかわらず、「3000億円の沖縄振興予算」と引き換えに辺野古新基地建設の埋め立て承認をしたと振りかえり、「県民の思いを裏切った知事だ」と批判しました。
赤嶺氏は、オナガ候補が「基地を絶対につくらせない。基地に頼らない振興策」を訴え、仲井真候補が“普天間基地の問題は辺野古新基地以外に解決しない”と新基地に固執している論戦の構図を紹介。「新しい基地をつくらせた知事はいない。新基地を押し付ける候補もこれまでいなかった」「“県民は新基地を引き受けた”とレッテル貼りを政府にさせないためにも絶対に負けられない選挙。全力をあげてたたかう」と決意を表明しました。
野外ステージのスクリーンには美しい辺野古の海の写真が映しだされ、吉田氏が、埋め立てボーリング調査に抗議する住民に対し過剰警備で応じる海上保安庁の横暴ぶりを告発。サンゴの海にパイプを突き刺しながら、法律を拡大解釈し、抗議する人たちを海に突き落とし拘束している安倍政権のやり方は「戦後、米軍が銃剣とブルドーザーで住民の土地を奪ったことの二重写しとみられている」と批判しました。
安倍政権・仲井真陣営が振りまく「負担軽減論」や「基地押し付け論」が討論テーマに。
伊波氏は、普天間基地の米軍機オスプレイが宜野湾や那覇の市街地を飛び回る現状が、辺野古に移れば沖縄全体を飛び回る事態になると指摘。「負担軽減」どころか「ますます沖縄の基地被害がふえていく」と強調しました。
吉田氏は、新基地が単なる「移設」ではなく、耐用年数200年、新機能も持つ巨大基地になることを解説。新基地に米軍と自衛隊の共同使用構想があることにもふれ、集団的自衛権行使容認などで日米軍事一体化を目指す安倍政権下で「沖縄が軍拡の島にされてしまう」と話しました。
田村氏は、首都圏でも沖縄からの「訓練移転」としたオスプレイの飛来が増加している情勢を報告。オスプレイ配備の新基地ができれば「全国どこでも訓練拠点になることが明らかになってきた」と強調し、「沖縄に置くな」の運動の広がりこそ必要だと呼びかけました。
米海兵隊が「日本の平和と安全のために必要」という抑止力論について、伊波氏は「日本の安全のためでなく、米国の戦争のための駐留だ」と指摘。「本当の抑止力は戦争しないこと。憲法9条こそ抑止力だ」と話しました。田村氏は、沖縄の方言をもとに「抑止力はユクシ(うそ)」を「全国の合言葉にしたいですね」と応じました。
最後に赤嶺氏が、閣僚や自民党三役が乗り込んでの国家権力総動員の安倍内閣対沖縄県民の様相となっている最新の情勢を報告。新基地阻止のため「絶対に負けられない」と強調し、改めて全国へ支援を呼びかけました。
伊波氏も「県民を裏切った(仲井真)知事をもう1回知事にするわけにいかない」と決意を語り、聴衆は大きな拍手と声援を送りました。
オナガ知事候補ビデオメッセージ
一緒に日本変えよう
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赤旗まつりに参加のみなさん、沖縄県知事選に立候補したオナガ雄志です。
昨年1月、沖縄がまとまって普天間の県外移設、辺野古の基地建設は許さない、オスプレイ配備撤回と、安倍首相に「建白書」を渡しましたが、一顧だにされませんでした。私は、そういう現状、日本と沖縄の行く末を思うとき、どうしても県民の力を結集して知事選をたたかわなければと立候補を決意しました。
私の基地問題の原点は、1956年に強制接収した土地を米国が一括で買い上げるプライス勧告です。そのとき沖縄の保守・革新が心を一つにはねのけたからこそ、私たちは正当な土地の権利を持つことができました。新辺野古基地はそういった(かつての)「銃剣とブルドーザー」につながっていくので、私は反対しています。
本土のみなさん一人ひとりに日本のあり方を考えていただきたい。沖縄問題の解決が日本国を本当の姿に変えていくということで、このたたかいをがんばっているところです。どうかご一緒してやっていきましょう。
稲嶺名護市長メッセージ
ウチナーンチュの心意気を
私が最初に挑戦した市長選、その後の市議選、今年の2期目の市長選、9月の市議選とすべて勝利し、名護市民は4度「辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない」意思を示しました。
辺野古では、抗議する市民・県民が、権力をかさに暴力的に押さえつけられることがくりひろげられています。沖縄以外だったら許されるのだろうか。差別の象徴的な光景を見せつけられています。
県知事選はウチナーンチュ(沖縄県民)の心意気を示す天下分け目の決戦です。