2014年11月1日(土)
スウェーデン パレスチナ国家承認
EU主要国では初めて
【パリ=島崎桂】スウェーデン政府は10月30日、欧州連合(EU)主要国として初めて、パレスチナを国家として正式に承認しました。スウェーデンのバルストローム外相は同日、イスラエルとパレスチナの両国の国家承認が、両国間の和平交渉を進展させるとの見方を示しました。
バルストローム氏は、パレスチナが国家承認に必要な「領土と国民、政府を備えている」と強調。今回の承認が「停滞した(中東)和平プロセスに新たな勢いを与える」との見通しを示しました。また、他のEU加盟国もパレスチナの国家承認に向けた議論を進めているとしたうえで、今後、EU内でパレスチナ承認が続く「明確な兆候がある」と述べました。
パレスチナを国家承認したのはスウェーデンが135カ国目。日本や米国、他のEU主要国はこれまでのところ、イスラエルとの経済関係や、ユダヤ人迫害の過去への配慮から、パレスチナを国家として承認していません。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は今回の承認について「勇敢で歴史的だ」と歓迎。イスラエルのリーベルマン外相は、駐スウェーデン大使を召還し、スウェーデンとの外交関係を格下げする方針を示すなど反発姿勢を強めています。
英下院は10月中旬、パレスチナの国家承認の是非を問う非拘束採決を実施。圧倒的賛成多数で可決していました。