2014年10月29日(水)
「生涯ハケン」押し付け
派遣法改悪案審議入り 高橋議員が批判
衆院
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今国会の重要法案として注目の労働者派遣法改悪案が28日の衆院本会議で審議入りしました。質問に立った日本共産党の高橋ちづ子議員は、臨時的・一時的な業務に限定するという派遣労働の原則を覆すものだと批判。「労働者に『生涯ハケン』を押しつけ、不安定雇用と貧困を広げる改悪案は廃案しかない」と主張しました。
2閣僚辞任を受け与党が想定の審議入りから大幅に遅れ、今国会成立には時間が少ない日程となっています。全労連や連合、日弁連なども反対。たたかいが広がり、29日は労働者が国会前に座り込む予定です。
高橋氏は「まるで物のように使い捨てられるのが派遣労働の本質だ」と強調。(1)派遣元に無期雇用されていれば期間制限をなくす(2)労働組合から意見聴取すれば、受け入れ期間を際限なく延長できる(3)別の課に配置変えすれば、同じ人を使い続けられる―と法案の問題点を指摘しました。「生涯ハケンはレッテル貼り」と言う安倍晋三首相に対し、「常用代替であり、生涯ハケンそのものだ」とただしました。
首相は「派遣労働は雇用の安定やキャリア形成が図られにくい」と問題を認めながら、「正社員への道が開かれるようにする」と答弁。高橋氏は「配慮・努力義務にとどまり、実効性は期待できない」と批判しました。
高橋氏は、派遣先の正社員との差別をなくす均等待遇も盛り込まれていないとし、「ヨーロッパ諸国は均等待遇が当たり前の原則だ」と述べました。「女性活躍というなら、派遣労働者の保護を強化する規定を法定化すべきだ」と求め、首相は「乗り越えるべき課題がある」と先送りしました。