2014年10月24日(金)
サイバー空間を軍事化
基本法案可決 山下氏が反対討論
参院内閣委
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自民、公明、民主など各党提案のサイバー(コンピューターやインターネットに関する)セキュリティー基本法案が23日の参院内閣委員会で可決されました。日本共産党の山下芳生議員が反対討論し、「米国はサイバー空間を陸、海、空、宇宙に次ぐ『第5の戦場』と位置付けており、日米軍事同盟の強化の一翼を担うことになる」と批判しました。
法案は、目的に「我が国の安全保障」と明記。新設する戦略本部は、計画案を作る際に国家安全保障会議(NSC)の意見を聞かなければならず、またNSCと緊密な連携を図るとしています。
山下氏は、米国がサイバー攻撃を先制的に行い、武力での反撃を含む軍事力と一体化した戦略をもち、監視対象は全世界の市民に及んでいると指摘。日米軍事協力の指針(ガイドライン)の再改定に向けた日本政府の中間報告では、「新たな戦略領域」として「宇宙およびサイバー空間」を初めて位置付け、「自衛隊と米軍が政府と一体となって取り組む」とされており、「日本のサイバーセキュリティー体制が軍事化することになる」と述べました。
そのうえで、(1)日本のサイバーセキュリティー体制の軍事化(2)IT企業などの情報が米国に流出し日本国民が米国から監視される―危険性を指摘。山口俊一・IT(情報通信技術)担当相は「直接リンクすることはないだろう」と答えただけでした。
山下氏はまた、大手銀行のネットバンキングで不正送金などの被害にあった場合、利用者の落ち度などを口実に補償額が減らされていることを告発し、事業者に責任を持たせるよう提起しました。