2014年10月24日(金)
大激戦 沖縄県知事選 オナガ氏 論戦リード
自民 なりふり構わぬ総力戦
米海兵隊新基地建設を許すかどうかが最大争点の沖縄県知事選(11月16日投票)は、30日の告示まで1週間を切り、大激戦となっています。
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同県名護市辺野古への新基地建設ノーの「オール沖縄」の声に立脚し、「あらゆる手段で基地を造らせない」と訴えるオナガ雄志(たけし)予定候補は論戦を主導し、県民の支持を大きく広げています。17日に行われた公開討論会ではオナガ氏が討論の中心になるなど、選挙戦をリードしています。
陣営には日本共産党など県政野党に加え、元自民党那覇市議団や同党県連元幹部、県内の有力企業経営者などが加わり、保守と革新の枠を超えた共闘が広がっています。
一方、県民を裏切って辺野古の埋め立てを承認した仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は安倍政権の全面支援を受け、組織力で突破を図ろうとしています。論戦とともに、「組織対組織」のたたかいを制することが、選挙戦の勝敗を分けます。
「仲井真氏は空中戦(政治論戦)で負けると思っているから、徹底して地上戦・組織戦で来る」。ある自民党長老の“警告”です。昨年1月、辺野古新基地反対の「建白書」に県内全41市町村の首長が署名しました。しかし、基地と引き換えの「一括交付金」による利益誘導などで、多くの首長が仲井真氏を推しています。
また、仲井真氏は県内の主要12経済団体に直接、電話をかけて推薦を要請。現時点で9団体が推薦を決めています。
自民党本部も他県の医師会など支援団体に「沖縄県知事選挙に関する協力のお願い」を出し、沖縄在住の知人・友人の名簿提出を求めるなど、なりふりかまわない動きを見せています。22日には茂木敏充選対委員長が沖縄入りし、「党として最高レベルの支援をする」と表明。30日の告示日には、谷垣禎一幹事長が参加する方向です。
公明党沖縄県本部は、県知事選は「自主投票」とする一方、同日投票の那覇市長選は、自民党が推す候補を推薦しています。
一方、仲井真陣営は矛盾も抱えています。これまで経済界は一致して保守県政を推してきましたが、今回、主要12団体で構成する「沖縄県経済団体会議」としての推薦状は出ていません。地元紙記者は「経済界の流動化が進んでいる」と指摘します。
仲井真陣営は企業・団体や首長のトップを押さえる形で組織固めをしていますが、末端まで浸透しているわけではありません。
オナガ陣営は市町村単位の事務所開きや決起集会を連日行い、11月1日には那覇市内の野球場で1万人規模の総決起大会を開くなど、取り組みを強めており、全国からの支援も求められています。