2014年10月23日(木)
“伝統文化途絶えた”
福島原発避難者訴訟 原告が陳述
地裁いわき支部
東京電力福島第1原発事故でふるさとを奪われ、避難生活を余儀なくされている、富岡町、双葉町、楢葉町、広野町、南相馬市、川俣町の住民が東京電力に完全賠償を求めている「福島原発避難者訴訟」(早川篤雄・原告団長)の第7回口頭弁論が22日、福島県いわき市の福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)でありました。
原告側は、富岡町からいわき市に避難している渡邉克巳さん、川俣町の鴫原(しぎはら)勝由さん、同町の菅野(かんの)典保さんらが意見陳述しました。
高校教師を退職後、みそ製造販売業を営んでいた渡邉さんは、原発事故によって事業再開ができなくなり「地獄に突き落とされた」被害実態について声を詰まらせながら訴えました。
鴫原さんは、川俣町山木屋地区に伝わる三匹獅子舞の何百年も続いた伝統文化が「3・11以後ぷっつりと途絶えた」と悔しさにふれ、「2歳になる孫と同居できない、私たちのこのような苦しみをしっかりとうけとめていただきたい」と陳述しました。
川俣町山木屋地区で葉タバコの生産を中心に農業を行ってきた菅野さんは「家族6人はバラバラに分かれ農業も続けることもできず、葉タバコ畑も田も荒れ放題。住民が安心して住める安全な山木屋にして返してほしい」と訴えました。