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2014年10月21日(火)

きょうの潮流

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 戦争体験者の話を聞く機会が少なくなりつつあるとき、直接戦争を知らない世代には、戦争に対する想像力をもつことが大事になっています。その悲惨さ、理不尽さを知るために▼世界大戦に参加した戦没学生の手記を読むと、戦争が身近に迫ってきます。『きけわだつみのこえ』ほど知られていませんが、第1次世界大戦後に出された『ドイツ戦没学生の手紙』(1938年、岩波新書)も、その一冊です▼作家の宮本百合子は敗戦直後に、この訳本について「若者達が、名状すべからざる困難な日々の中に、自分達の経験をかみしめ、それを記録して行った姿は、深く心をうつものがある」と評しました▼この新書には、60人の学生の手紙が時系列で載っています。死亡時の平均年齢を数えると、22歳の若さ。第1次世界大戦を特徴づける「塹壕(ざんごう)戦」で多くの若者が傷つき、うめき、戦死していく戦場の様子が生なましい。時がたつにつれて開戦当初の“感激”が薄れていくのも分かります▼印象的なのは、「僕はこの世で、まだ十分のことを成し遂げることができませんでした」「生きたい気持ち、生きようとする気持ちが日々大きくなる」という切実な叫びです▼わだつみのこえ記念館で見た、学徒兵の書いた「『生きて帰る』 俺にはまだまだ山ほど人生がある」という日記を思い出しました。きょうは、71年前に「出陣学徒壮行会」の行われた日です。若者の命と無限の可能性を奪う危険な企てを許さない―今に生きる者の責務です。


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