2014年10月20日(月)
英各地で大規模なデモ
独鉄道労組はスト突入
賃上げや時短を要求
【パリ=島崎桂】英国各地で18日、「英国は賃上げを必要としている」と銘打ったデモや集会が開かれ、主催した労働組合会議(TUC)によると約10万人が参加しました。ドイツでは同日、ドイツ鉄道(DB)職員が、2008年以来で最大規模となる3日間のストに突入しました。
TUCの発表によると、英労働者の平均年間所得は2008年比で、約2600ポンド(約45万円)減少。人口約6300万人の同国で、およそ500万人が最低限の生活の維持にも困難を抱える一方、経営者層の平均所得は労働者の175倍に達しているといいます。
現地からの報道によると、ロンドンのデモには民間企業の労働者に加え、公務員、教員、看護師らも参加。公務員給与の抑制など、政府の緊縮政策に抗議しました。参加者からは賃上げに加え、軍事予算の削減による医療、住宅予算や気候変動対策予算の拡充を求める声もあがりました。
同様の抗議行動は、スコットランドのグラスゴーや北アイルランドのベルファストでも実施されました。
TUCのフランセス・オグレディ書記長はデモを呼び掛けた声明の中で「富裕層減税のための資金を追い求め、その他の人々が賃金搾取や大規模な福祉削減に直面する経済は、もはや機能していない」と訴えました。
ドイツでは、ドイツ鉄道の運転士労組GDLが3日間のストを開始しました。GDLは8月以来、かねてから、5%の賃上げと、週39時間から週37時間への労働時間の短縮を要求し、複数回の時限ストを続けてきました。しかし、経営陣の姿勢が変わらないことから、今回、大規模ストに踏み切りました。
ストの影響により、同国の長距離路線で約7割の列車が運休するほか、その他の全路線でも大規模な運休が見込まれています。