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2014年10月20日(月)

きょうの潮流

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 13年前に起きた、放送史の中で忘れてはならないことがあります。日本軍「慰安婦」問題を取り上げたNHKのETV番組改変事件。安倍首相(当時官房副長官)の介入を受けて番組が作り変えられました。放送されたのは2001年です▼6日の国会で安倍首相が突然、この番組改変問題を持ち出しました。保守系議員が朝日新聞の「吉田証言」誤報問題を取り上げたのに乗じて切り出したのです。「NHKに対して圧力をかけたという報道があった。私が呼びつけたといわれたが、呼びつけた事実はない」▼これは事実をネジ曲げた発言です。01年当時、NHK幹部が安倍氏のもとを訪れ、番組の内容を説明。安倍氏は、「慰安婦」問題や歴史認識について持論を語り、その後、NHKに取って返した幹部のもとで番組に手が入りました▼「朝日」の誤報を材料に矛先をNHKへ向けて脅し、「慰安婦」報道を封じる。安倍首相のねらいでしょうか。13年前の番組介入は密室で行われましたが、今回は国会で“堂々”と。腹立たしい限りです▼「慰安婦」問題を特集した「報道ステーション」(9月)、そして民放連最優秀賞を受賞した琉球放送のドキュメンタリー「戦場のうた〜元“慰安婦”の胸痛む現実と歴史」。いずれも日本軍の関与と強制性に迫りました▼だれがどう関わって改変にまで至ったのか。NHKは、今からでもETV事件を検証する番組を作ってはどうでしょうか。それでこそ、自主自律を掲げる公共放送であるといえます。


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