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2014年10月19日(日)

小選挙区制維持 前提にした議論に批判

衆院選挙制度調査会

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 衆院議長のもとに設置され、有識者で構成する「衆議院選挙制度に関する調査会」の実質的な議論が9日から始まっています。議席の配分に民意を反映しない現行の小選挙区制の維持を前提に話し合われており、議論の透明性と合わせ、問題視する声が出ています。

現行制度検証せず

 調査会が議論を始めたテーマ(9日)は、1選挙区1人選出という小選挙区制によって生じる「1票の格差問題」。座長の佐々木毅・元東大総長は会合後の記者会見で、年内にも各委員の意見を集約できれば、その段階で答申を出す可能性もあるとの考えを示しました。

 この点について、記者団から「いまの議論の進め方だと、小選挙区制は維持したまま、そのなかで格差を是正していくように聞こえる」と質問されました。佐々木氏は「われわれ(調査会)も時間の制限のなかで活動しなければならない」と述べ、否定しませんでした。

 直近の2012年12月の総選挙を見ると、小選挙区で第1党は4割台の得票で8割の議席を得ました。衆院の選挙制度改革に向けた全党参加の実務者協議は昨年6月、「小選挙区による過度な民意の集約」に問題があると認め、「現行並立制の功罪を広く評価・検証し」「抜本的な見直し」を協議することを合意しました。

 憲法会議や自由法曹団、全労連など11団体は7日、調査会を訪れ、この全党合意の実行こそ求められていると主張。「いま選挙制度の改革で求められているのは現行制度の抜本的な見直しだ」と申し入れました。

 11団体の代表らは、調査会が「1票の格差問題」から議論を始めることについて「小選挙区制そのものが問題となっているときに、小選挙区間の格差問題から議論することは、小選挙区制の維持を前提とすることを狙ったものといわざるをえない」と指摘。小選挙区制維持や定数削減を前提とせず、全党合意にのっとって、民意を反映する選挙制度へ抜本的に見直す議論を求めました。

 調査会の議論は、「1票の格差問題」の後、選挙制度の評価、定数削減、将来的な選挙制度のあり方、の順に進む予定です。

議事録も公開せず

 11団体はまた、原則非公開にされている会議と議事録の公開を要請しました。「選挙制度が国民主権の根幹にかかわる問題であるとの見地に立って、国民の意思を公正に反映するため、国民に開かれた議論が求められている」との訴えです。

 佐々木氏は9日の会見で「議事要旨は公開することにしている」と表明。議論した数日後に議事要旨を出すだけでお茶をにごす姿勢を改めませんでした。非公開とした理由も説明しませんでした。

 調査会の運営について11団体は、「国民の意思を公正に反映する観点から行われなければならない」と指摘し、広範な国民の声を聞く機会を設けるよう求めています。


 衆議院選挙制度に関する調査会 民主党など一部の党の提起を受け、衆院議院運営委員会が6月、多数決で設置。日本共産党は「全党が唯一合意した現行制度の『検証』作業を一度も行わず、『第三者機関』に“丸投げ”するのは政党・国会の責任放棄だ」と反対。学者や報道関係者、連合幹部など15人の委員で構成。


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