2014年10月18日(土)
首相「靖国」に真榊
侵略肯定を世界に宣言
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17日、秋季例大祭開始に合わせて安倍晋三首相が行った靖国神社への真榊(まさかき)奉納は、神社の祭事に対して尊敬を示すものであり、参拝に準じる行為です。
靖国神社は戦時中、国民を戦場に動員する役目を担いました。現在も、日本の軍国主義による侵略戦争を「自存自衛の正義のたたかい」「アジア解放の戦争」などと美化・宣伝することを存在意義とする、特殊な施設です。この施設に首相が参拝・奉納することは、侵略戦争を肯定・美化する立場に自らの身を置くことを世界に向けて宣言することに等しいものです。
安倍首相と同様、塩崎恭久厚労相、衆参両院議長も真榊を奉納。衛藤晟一首相補佐官、小里泰弘環境副大臣、赤池誠章文部科学政務官が参拝し、高市早苗総務相も期間中の参拝を公言しています。閣僚・政府高官の靖国参拝は中国、韓国との関係を悪化させるだけでなく、日本をアジアや世界から孤立させる行動です。
安倍首相は就任後から同神社に真榊などを奉納し、2013年12月には小泉純一郎氏以来、7年ぶりに首相として参拝を強行しました。
その背景には、侵略戦争を正当化し、改憲を目指す「日本会議」の存在があります。安倍首相をはじめ塩崎、高市両氏、伊吹文明・山崎正昭衆参両院議長らは、同会と連携する議連の幹部を歴任するなど、深く関わってきました。
「日本会議」は今年8月15日の終戦記念日に靖国神社で集会を開き、「中断されていた靖国神社の首相参拝を昨年末に復活した」として安倍首相を高く評価する声明を発表しました。さらに「(参拝に)反対している中韓両国に対して、我が国への外的圧力が無意味・無力であることを悟らせる」ために、同神社への首相の参拝継続を強く要望しています。
この日の「内閣総理大臣」名による安倍首相の真榊奉納は、こうした歴史の逆流に呼応したものです。
(北野ひろみ)