2014年10月18日(土)
きょうの潮流
演劇の券を求めて、久しぶりに通勤途中のプレイガイドに立ち寄りました。以前はよく利用していましたが、インターネットの普及でとんとご無沙汰でした▼プレイガイドは英語のプレイ(公演)とガイド(案内人)を組み合わせた造語。こうした物事や現象を言い表す造語や新語は周りにあふれています。言い得て妙と感心するときもありますが、「アベノミクス」のように聞くたびに腹が立つものも▼最近、耳にするのは、ウーマン(女性)とエコノミクス(経済)をあわせた「ウーマノミクス」。女性の社会進出が経済を活性化させるという意味。安倍政権が成長戦略の一環に女性の活躍を打ち出したことで改めて注目されています▼その安倍首相が、政策の体現とばかりに起用した女性閣僚が体たらくぶりを見せています。小渕優子経産相は政党支部や後援会の不明朗な収支報告が発覚。松島みどり法相は自身の選挙区内でうちわを配り、公職選挙法違反の疑いで追及されています▼民族差別をあおる団体の関係者と仲良く写真に納まっていたのは、高市早苗総務相と山谷えり子国家公安委員長。目玉の女性活躍相に就いた有村治子氏も男女共同参画を否定する人物です▼そのうえ、この3人は日本軍「慰安婦」をなかったとする議員連盟に名を連ねています。強制や暴力によって多くの女性の尊厳が傷つけられた史実に目をふさぎながら、女性たちの生き方を尊重する環境づくりを口にするとは。これでは女性が輝く社会とは「真逆(まぎゃく)」です。