2014年10月17日(金)
被害者救済 政治決断を
泉南アスベスト訴訟 山下・小池両氏質問
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アスベスト(石綿)の健康被害で初めて「国の責任」を認めた大阪・泉南アスベスト訴訟の最高裁判決(9日)を受け、日本共産党の山下芳生、小池晃両参院議員が16日、質問しました。山下氏は、参院内閣委員会で政治決断での早期解決を主張しました。
同訴訟は1陣大阪高裁で原告の訴えを棄却する一方、2陣大阪高裁は国の責任を認めました。最高裁判決では1陣、2陣とも国の責任を認め、1陣については賠償額確定のため大阪高裁に審理を差し戻しました。
山下氏は「提訴から8年余で原告89人のうち、すでに14人が命を落とした」として、「生きているうちに解決してほしい」という1陣原告の声を紹介。「これ以上裁判を長引かせるべきではない。1陣、2陣一括して解決し、被害者を救済すべきだ」と菅義偉官房長官に政治決断を求めました。
菅官房長官は、「判決を重く受け止める」としながら、「所管省庁である厚労省が適切に対応すべきだ」と述べるにとどまりました。
小池議員は、同日の参院厚生労働委員会で、判決を受けて「謝罪」のコメントを出した塩崎恭久厚労相に、「原告に直接会って謝罪せよ」と求めました。
塩崎厚労相は、「原告のみなさまには申し訳ないという気持ちだ。早期解決したい」とのべましたが、「原告へ直接会って謝罪する」とは明言せず、小池氏は厳しく批判しました。
小池氏が、塩崎氏が官房長官時代にじん肺訴訟の和解協議を進めたことをあげ、被害者全員の救済を求めたのに対し、塩崎氏は「そのことも認識した上で考えている」と答弁しました。