2014年10月17日(金)
デフレ時も「マクロ」発動
物価下落以上に年金削減
厚労省提案
厚生労働省は15日の社会保障審議会年金部会で、年金給付の伸びを物価上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」について、物価が下落するデフレ時にも発動できるようにすることを提案し、大筋了承されました。これが発動されれば物価の下落以上に年金が削減されるため、高齢者の生活を直撃することになり、厳しい批判は避けられません。
マクロ経済スライドは、年金財政の安定を口実に、2004年の制度改悪で導入。物価や賃金が上昇しても少子高齢化による財政悪化分を反映した調整率(1・2%〜1・3%)を差し引いて年金給付の上昇を抑える仕組みです。
ただし、物価の伸びが調整率より低い場合(0%まで)は年金を据え置き、物価下落時には同スライドを適用せず、物価下落分だけ削減します。
厚労省は、これまでデフレ化で発動できておらず、「高齢者の生活の安定」より将来の給付水準を確保することが重要だとして、同スライドを「フルに発動させる」ことが必要だとのべました。
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