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2014年10月16日(木)

きょうの潮流

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 何年か前に「野菜がよろこぶモーツァルト」と銘打ったCDが売り出されたことがあります。癒やし効果が高く、人間ばかりか植物にも聞かせて、成長や熟成を促すというもの▼15日付の日本農業新聞の記事を読んで思い出しました。岐阜県本巣(もとす)市で柿の選果場にモーツァルトなどのクラシック音楽を流し、柿のストレスを軽減する試みが始まりました。リラックス効果で柿の品質や作業効率の向上をめざすそうです▼“モーツァルト効果”は以前からいわれてきました。いわく頭が良くなる、胎教にいい、農作物がおいしくなる。真偽のほどは定かではありませんが、神経が休まるという人は多い。そのモーツァルトの旋律に導かれた映画が岩波ホールで公開されています▼「ミンヨン 倍音の法則」。基になる音に重なり、かすかに響く倍音。音がふくらみ、音色を奏でます。映画では倍音は「どこで切ってもまたつながる円」に例えられます▼主人公はソウルの女子大生ミンヨン。日本語も英語も堪能で三つの言葉がハーモニーとなり、夢のような世界にいざなわれていきます。韓国から日本、そして戦時中へ。統制下で苦難にあいながら、音楽に支えられ人間らしく生きようとする姿が描かれます▼飛躍する画面から何をくみとるか。見る側の感性が試されるような作品。歴史とは過去ではなく、現在であり、未来でもある―。そんな佐々木昭一郎監督のメッセージが余韻になって。秋の夜長。今宵(こよい)はモーツァルトでも聴きながら。


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