2014年10月16日(木)
865万人 医療保険料特例廃止 厚労省が案提示
高齢者も現役も負担増
入院給食など手当たり次第
厚生労働省は15日、75歳以上の高齢者865万人に対する医療保険料の特例を廃止するなど、高齢者から現役世代まで手当たり次第に負担増を押しつける医療保険制度の大改悪案を社会保障審議会の部会に示しました(図)。「社会保障のため」という消費税大増税の口実がデタラメであることが改めて浮き彫りとなりました。
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75歳以上が加入する後期高齢者医療では現在、年金収入で250万円以下の世帯を対象に特例として保険料を最大9割軽減。子どもの扶養家族だった高齢者も特例として9割に軽減しています。
ところが厚労省は、「世代間・世代内の不均衡がある」として特例措置をなくし、810億円の医療費を削減する案を提案しました。元会社員や会社員の夫を亡くした妻ら単身高齢者(年金収入年80万円以下)で、月370円から1120円へ一挙に3倍も上がります。
入院給食費も、自己負担を1食あたり200円引き上げて460円とし、医療費削減のため“入院患者追い出し”を進める案を示しました。
大病院(200床以上)で紹介状なしに受診する場合、定額負担として5千円〜1万円も徴収。患者が自由に診療を受けられなくして医療費を削減していく姿勢です。
現役世代に対しても、保険料算定の月収(標準報酬月額)の上限を121万円から145万円に引き上げて約700億円の負担増を強いることや、健康保険料の保険料率引き上げ、国民健康保険の課税限度額の引き上げを提起しました。
部会では、軒並み負担増を強いることに対して「後期高齢者医療の特例は恒久的措置になっている」(全国老人クラブ連合会)、「経済的格差による受診抑制を招く」(日本看護協会)との意見が出されました。