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2014年10月15日(水)

「地方創生」関連法案

塩川議員の質問

衆院本会議

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 日本共産党の塩川鉄也議員が14日、衆院本会議で行った「地方創生」関連法案への質問(要旨)は以下の通りです。


 安倍総理は、今国会を「地方創生国会」と位置付け、「国民が安心して働き、希望通り結婚し子育てができ、将来に夢や希望を持つことができる、魅力あふれる地方を創生する」としています。

 地方から「安心して働く」場や「結婚し子育てができる」環境をうばったのは誰か。地方から「魅力」や「活力」がなくなったのは、農業を破壊し、福祉を削り、「全総」(全国総合開発)計画、合併推進などで地方を切り捨ててきた、歴代自民党政治に原因があるのではありませんか。

 「まち・ひと・しごと創生法案」は、「地方創生」の中心問題に「人口減少の克服」「東京一極集中の是正」をあげますが、原因をどう把握しているのか。

人口減少

 第1に、人口減少は、なぜ起こったのか。今日、若者が結婚し、出産、子育てをしていくことが難しい状況です。若者と女性の2人に1人が非正規など異常な不安定雇用と低賃金、長時間労働を強いられているからです。自公政権の労働法制規制緩和でつくりだされてきたのではありませんか。

 安倍内閣が今国会に提出している労働者派遣法改正案は、若者に「生涯派遣」を押し付け、正社員化どころか、逆に正規から非正規へおきかえることになりませんか。これがどうして「人口減少の克服」につながるのか。

一極集中

 第2に、総理は、「東京一極集中の是正」を言いますが、そもそもなぜ集中してきたのか。

 一つは、地方から東京圏への人口流出は、地方の産業が壊され雇用が失われたからです。地方の中心的産業で雇用の場である農業や林業は輸入自由化によってつぶされてきました。大店法廃止後の「まちづくり3法」は機能せず、郊外大型店の身勝手な進出と撤退で、シャッター通りが全国に拡大しました。

 二つは、「企業立地促進法」は、多国籍企業の地方進出を後押しし、自治体の企業誘致の補助金競争をあおりました。肝心の雇用は非正規が増え、最後には大企業の身勝手な工場の縮小・撤退が繰り返され、産業の空洞化や産地の崩壊を招いたのです。

 三つは、国策で進められた「平成の大合併」によって、1999年3月末、3232あった地方自治体はほぼ半減。自治体の面積は平均で2倍になる一方、地方交付税は大幅削減され、地方の疲弊を加速させたのです。

 四つ目は、国際競争力の名で都市関連法制の規制緩和を進める都市再生政策や道路、港湾、空港など大都市部の大規模開発を推し進め、地方の人口を吸い上げたのであります。

 本当に「東京一極集中の是正」をやる気があるのでしょうか。

 すでに市場まかせの政策で米価が大暴落し、農家経営が立ち行かない事態が起こっています。日豪EPA(経済連携協定)やTPP(環太平洋連携協定)を推進すれば、農畜産業はじめ地域経済に壊滅的な打撃を与えるのは明白です。

 東京、大阪、名古屋の三大都市を結ぶ「スーパー・メガリージョン」とは何か。中心に据えられているリニア中央新幹線を整備すれば「東京一極集中」が加速することは、リニア整備を認めた審議会でさえ指摘しています。

 地方から産業と雇用を奪った原因を放置し、一極集中を加速する政策をとりながら、どうして「東京一極集中」を是正できるのですか。

国の役割

 国民が生活するすべての地域を自治体とともに支えていくこと、それが国の役割です。

 農林水産業や再生可能エネルギーなど地域資源の活用を進めて雇用と所得をつくり、医療と介護を確保して地域の安心を築く取り組みに応えること、条件不利地域への地方交付税を大幅に拡充することです。大都市圏への大型開発を見直して、地域密着、防災・維持管理優先の公共投資に振り向けるべきです。

 安倍内閣は、人口20万人以上の「地方中枢拠点都市」に都市の機能と住民サービスを「集約」しようとしています。それによって周辺地域が衰退すれば、拠点の都市も維持できなくなることは明瞭です。地方の縮小・撤退を前提にしてどうして地方に安心と魅力がつくれるのですか。


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