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2014年10月13日(月)

安倍首相のデタラメ答弁

「賃上げ」いうが実質は減少

河野談話「継承」いうが中傷

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 衆参両院の予算委員会が8日までに終わりました。鮮明になった安倍晋三首相のデタラメな答弁。日本経済の実態からずれた答弁、「慰安婦」問題を通じて歴史を偽造する答弁を、振り返ると―。


「賃上げ」いうが実質は減少

経済論戦

 安倍首相がアベノミクスの成果として持ち出す“賃上げ”。「平均2%を超える賃上げ」「中小企業・小規模事業者でも65%で賃上げが実施されている」といいます。

 しかし、首相があげる賃上げの中身をみれば、ほとんどが定期昇給や賞与・一時金の増額。基本賃金の引き上げとなるベースアップに着目してみれば、賃上げのうちのベア獲得分は0・38%。ベア実施企業も全体の2割程度にすぎません。

 しかも、たとえ名目賃金が増えたとしても、物価の上昇に賃金が追いつかなければ、生活が楽になったとはいえません。

 とくに4月以降は、アベノミクスによる円安と消費税増税(税率8%)によって物価が上昇。名目賃金の伸びをはるかに上回って、賃金を実質的に目減りさせています(図)。日本共産党の大門実紀史議員は、8日の参院予算委員会でこの問題点を追及しました。

 首相の弁明は「実質総雇用者所得は6月以降プラスだ」というもの。「雇用者所得は1人あたりの賃金に雇用者数を乗じた(もの)」と首相はいいますが、大門氏が「非正規雇用が増え、雇用者数全体が増えているから、1人あたりの賃金は低下していてもマクロ経済としては増える」と反論すると、実質賃金目減りの指摘を否定する答えができませんでした。

 臨時国会では、さらなる賃下げにつながる労働者派遣法の大改悪も審議されます。首相は「すべての人々が生きがいをもって働くことができ、何度でもチャンスを与えられる環境をつくっていく」と居直っていますが、このような景気実感のない世論との乖離(かいり)は深まるばかりです。

図
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河野談話「継承」いうが中傷

歴史偽造

 「日本が国ぐるみで性奴隷にした、いわれなき中傷がいま世界で行われている」(3日、衆院予算委)

 「慰安婦を強制連行した」とする吉田清治氏の記事を朝日新聞が取り消したことに関し、「虚偽を根拠として日本の名誉は地に落ちている」と憤慨する自民党の稲田朋美政調会長に、首相はそう同調しました。

 日本軍「慰安婦」制度は性奴隷制だったという問題の核心部分を正面から否定する首相答弁です。

 日本軍の関与を認め謝罪した「河野官房長官談話」(1993年)の根拠に「吉田証言」があったとして談話を否定するのが首相の積年の立場です。97年5月の衆院決算委員会の質問(当時衆院議員)では「吉田証言」をあげ、「根拠がすでに崩れているにもかかわらず、(河野)官房長官談話は生き」ているのは問題だと攻撃しています。

 しかし、「吉田証言」は「信用性が低かったところから河野談話に反映されなかった」(菅義偉官房長官、3日の衆院予算委)のが真実。首相も「官房長官の答弁した通り」と認めました。

 稲田政調会長の質問に便乗し「吉田証言」取り消しによって性奴隷制まで否定されたかのように言う一方で、「河野談話は継承する」というのでは二枚舌です。歴史に対して「いわれなき中傷」をおこなっている首相のほうです。

 首相は「河野談話、プラス、そのときの長官の記者会見における発言により、強制連行というイメージが世界に流布された」との理屈をこねて、自らの矛盾をごまかしています。


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