2014年10月12日(日)
対立国から同時にノーベル平和賞
インド サティアルティさん「両国は行間を読んで」
パキスタン マララさん「和平話し合い教育に焦点を」
【ニューデリー=安川崇】対立するインドとパキスタンが境界付近での両部隊の砲撃で緊張を高める最中の10日、ノルウェーのノーベル賞委員会はパキスタン人のマララ・ユスフザイさんとインド人のカイラシュ・サティアルティさんを受賞者に選びました。両国からの同時受賞を「対話に向けたメッセージ」(受賞者)と受け止める声があります。
同賞授与に際して同委員会のジャグランド議長は「インドの人とパキスタンの人が、教育と、過激主義への抵抗という共通のたたかいに参加していくことを、委員会は重要視した」と語りました。
これについてサティアルティさんは同日、「両政府も両国民も、行間を読む必要がある」と語り、同時受賞のメッセージ性を強調。「子どもたちは平和な環境に育ち、教育を受けなければならない。平和の問題を無視してはならない」と述べました。
マララさんも同日、「印パ両国は和平を話し合い、教育に焦点を移してほしい」と発言。インドのモディ首相とパキスタンのシャリフ首相に「授賞式に出席してもらいたい」と述べました。
インド主要紙は受賞を伝える1面トップ記事に「平和賞が印パを結びつける」(ヒンドゥスタン・タイムズ)、「子どもたちが印パにノーベル賞という連帯を与えた」(タイムズ・オブ・インディア)などの見出しを掲げています。