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2014年10月10日(金)

米大学新卒 借金、20年前の倍

授業料上がり高所得層も

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 【ワシントン=洞口昇幸】米国で学費支払いなどで学生ローンを利用した結果、大学新卒業者の抱える借金総額が約20年前と比べ倍以上になり、高所得層や中間所得層でも借金を抱える大卒者の割合が増えていることが分かりました。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが7日発表した報告書で明らかにしました。

 報告書によると、2012年に大学を卒業した人の69%が政府や民間の学生ローンを利用しており、その1人当たり総額の中央値は2万6885ドルでした。これは1993年卒業者の1万2434ドルの2倍以上となっています。(グラフ上)

 その理由として報告書は、大学の授業料が上がっていること、就職に有利な技術や資格の取得を名目に、経済力のない若者に多額の学生ローンを背負わせる営利目的の大学が増えていることなどを指摘しています。

 また報告書は「過去約20年の間に変わったのは、所得層にかかわらず学生が借金をすることが広まったことだ」と指摘。学生ローンに頼る学生の割合は、低所得層で最も大きいことに変わりないものの、高所得層、中間所得層で急激に拡大しています。(グラフ下)

 高所得層の大卒者で借金を抱える人の割合は、93年の24%から、12年には50%と倍加。中間所得層上位では34%から62%、中間所得層下位では45%から70%でした。低所得層では67%から77%です。

 この背景について、▽政府の学生ローンの対象が拡大された▽08年の米金融危機を受けて高所得層の資産が縮小した▽同危機のため借金する手だてが縮小した―ことなどをあげています。

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