2014年10月6日(月)
香港占拠 各地で小競り合い
冷静保つ学生・市民
「真の普通選挙」求め平和的抗議
【香港=小林拓也】香港行政長官の選挙制度改革をめぐり学生や市民による繁華街などでの道路占拠が続いている香港。香港政府が6日朝までにデモ隊が幹線道路の封鎖を解除するよう通告して、緊迫した事態となっています。
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5日、金鐘(アドミラルティー)で座り込みをしていた香港公開大学2年生の女性(19)は、「政府が9月28日夜に暴力で私たちを排除しようとしたことで、多くの人に怒りが広がった。政府は対話を通じた平和的な方法で問題を解決してほしい」と訴えました。
一方、香港島の銅鑼湾(コーズウェイベイ)や九竜地区の旺角では占拠に反対する人たちとの激しい口論や小競り合いが起き、混乱も指摘されています。
3日に暴力集団による襲撃を受けた旺角では、4日も占拠反対派が多数押し寄せ、あちこちで小競り合いが発生。危険を感じた周辺の商店はシャッターを閉めました。
一方で、占拠反対派の挑発に応じず、静かに道路占拠を続ける学生や市民の姿も目立ちます。座り込みをしていた52歳の女性は「学生の行動は平和的だ。理解しない一部の人が暴力を使うのが悲しい」と話しました。
学生らが占拠している幹線道路には、「理性的な抗議」「平和的な抗議」などのスローガンが目立ちます。「真の普通選挙」を求める今回の運動の名称となった「雨傘革命」は、警察がデモ隊を排除しようとして使った催涙弾を傘で防いだことからきており、「雨傘」は平和的な抗議の象徴になっています。
道路占拠の現場には、体調を崩した人のための救護所や水などの物資を配る場所もあります。ごみも学生が自主的に仕分けて処分しており、全体的に秩序がとれた抗議行動となっています。