2014年10月5日(日)
安倍政権 カジノへ暴走
今国会成立に執念
ギャンブル依存症拡大
刑法が禁じる賭博場・カジノを合法化するカジノ解禁推進法案(特定複合観光施設区域整備推進法案)の行方が臨時国会の焦点の一つに浮上しています。安倍晋三首相は1日の参院本会議で、「観光振興、地域振興、産業振興に資する」として、あらためてカジノ解禁に前のめりの姿勢を示し、菅義偉官房長官も3日の会見で、「(今国会で)成立させるべく全力で取り組んでいる」とのべました。
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同法案はさきの通常国会で、衆院内閣委員会で継続審議となりました。日本共産党と社民党以外のすべての政党から200人余の国会議員が参加するカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟、会長・細田博之自民党幹事長代行)が推進しており、昨年12月に自民、維新、生活の3党が法案を提出しました。日本共産党はカジノを合法化する動きに真っ向から反対しています。
内閣提出の法案ではありませんが、安倍首相は「次の臨時国会で、これは議員立法だが、成立を目指している」(6月24日、米メディアの取材に)とのべ、政府をあげて同法成立をねらっています。
安倍首相は、カジノは「日本の成長戦略の目玉になる」(5月30日、外遊先のシンガポールで)と発言。6月に閣議決定した「改訂成長戦略」にはカジノについて「関係省庁において検討をすすめる」と明記し、7月には内閣官房に特命チームを立ち上げています。
改造内閣で留任した太田昭宏国土交通相(公明党)にカジノの整備担当を務めるよう指示するなど、根拠となる法律の成立を待たず、政府をあげてカジノ実現に突き進む“暴走”ぶりです。
日本でギャンブル依存症の疑いのある人が536万人にのぼるという厚生労働省研究班の調査結果が公表されるなか、「賭博で経済成長はありえない」「ギャンブル依存症を広げるカジノはおことわり」と、カジノ合法化にも、カジノ誘致にも反対する運動が各地に広がっています。
日本弁護士連合会は同法案に反対し、廃案を求める意見書を発表。各地の12弁護士会が会長声明を出し、集会を開くなどしています。
道徳も人間性も破壊
全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会事務局次長・司法書士・新川眞一さんの話
カジノ賭博場ができれば、日本の経済や財政、さらには道徳や人間性までもが壊される。カジノは「破壊産業」なのです。日本経済が財政を賭博に頼るいびつな構造になってしまえば、もう引き返すことはできません。人々が賭博漬け、借金漬けになり、多くの不幸をもたらすことが明白なのに、「国策」としてこれをすすめることが、どうして許されるのか。
街頭宣伝でシール投票を行うと、反対が7割、「わからない」を含めれば、8割はカジノに否定的です。新聞各紙も反対もしくは慎重審議を求める社説をかかげ、日本中が「カジノには問題あり」という判断をしています。
十分な審議も行わず、国民がその内容をわからないうちにカジノ合法化を決めるなど、絶対にだめです。