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2014年10月4日(土)

独の東西 賃金格差縮む

法定最低賃金導入が一因

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 ドイツで長年、問題になってきた旧東独地域と旧西独地域の賃金格差が大幅に縮んできたことが明らかになりました。

 労組系のハンス・ベックラー基金経済社会科学研究所(WSI)が1日、発表したもの。1990年に東独と西独が統合した直後の91年は、旧東独の労働者の労働協約に基づく賃金は旧西独地域の60%にしかなりませんでしたが、2014年半ばには97%に達しました。WSIによると、最低賃金導入が大きな役割を果たしました。

 旧西独地域と旧東独地域の労働協約に基づく賃金の格差は、産業ごとに大きく違い、公務員、銀行・保険、鉄鋼、小売りなどではほぼ100%となっています。しかし、建設業では92%、ホテル・飲食業では77%、農業では73%とまだ格差が大きい。

 さらに、労働協約が定められていない職場での賃金は、旧東独地域は旧西独地域の83%でしかありません。旧東独地域は労働協約が結ばれていない職が多く、全体としての格差解消にはまだ時間がかかりそうです。

 賃金格差を縮小した要因の一つは法定最低賃金の導入です。ドイツではここ数年、全国一律の法定最低賃金を求める運動が高揚し、今年7月には15年から17年まで段階的に8・5ユーロ(約1200円)の全国一律の法定最低賃金を実施する法律が採択されました。

 17年には、最低賃金レベルでは、格差は解消されます。鉄鋼産業などでは、法の精神に先行し、旧東独地域の格差を埋め合わせるような賃上げが合意されました。 (片岡正明)


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