2014年10月3日(金)
百田氏が故土井氏に暴言
NHK経営委員の資格なし
NHK経営委員である作家・百田尚樹(ひゃくた・なおき)氏が、9月20日に亡くなった元社民党党首、元衆院議長の土井たか子氏に対し、自身のツイッターで「土井たかこが死んだらしい…まさしく売国奴だった」と暴言を吐きました。
反論のできない故人を「売国奴」と切って捨てるツイートには、当然反論のコメントが寄せられました。すると百田氏は「他人に人格を説く人たちに聞きたい。政治家は死ねば批判から免れるというのか」「他人に品格を要求するくらいなら、あなたたちも私も批判するな」(原文のまま)と開き直りました。
まるで飲み屋の酔っ払いのレベルですが、百田氏は社会的責任を持つ作家であり、公共放送NHKの最高意思決定機関・経営委員会の委員です。最低限の「人格」や「品性」が求められるのは当然のことでしょう。
これまでの百田氏の度を越えた言動については、NHK経営委員としての資格を問う声が上がり、視聴者・市民団体からは罷免要求がNHKや政府に出されてきました。
百田氏は、改憲に反対する人たちを「妄想平和主義者」と呼び、「もし他国が日本に攻めてきたら9条教の信者を前線に送りだす」などと冷笑。2月の東京都知事選では、元自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄候補の応援演説に立ち、相手候補を「人間のくず」と罵倒しました。
2月の経営委員会は「人間のくず」発言を問題視。「委員一人一人が、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚し、一定の節度をもって行動する」とした見解をまとめました。
放送法やNHKの「経営委員会委員の服務に関する準則」には、経営委員の資格や要件についての定めがあります。
放送法31条では「委員は、公共の福祉に関し公正な判断」ができることを求めています。準則では経営委員について「放送が公正、不偏不党な立場に立って…健全な民主主義の発達に資する」こと、「(NHKの)名誉や信用を損なうような行為をしてはならない」と明確に定めています。
百田氏の一連の暴言がこれらに抵触していることは、誰が見ても明らかです。経営委員に存在する資格はありません。
暴言を重ね、NHKの「名誉や信用を損な」ってきた人物がいまだに経営委員でいること自体が異常です。百田氏を経営委員に任命し、その延命に手を貸している安倍内閣の責任がいっそう厳しく問われます。 (佐)