2014年10月3日(金)
主張
代表質問 首相答弁
「亡国政治」行き詰まりは明白
安倍晋三首相の衆参両院の各党代表質問への答弁を聞き、さらに怒りがわきました。所信表明演説で「地方創生」「女性活躍」などには多弁な半面、国民の支持がない政策をほとんど語らぬ安倍首相に批判と疑問が相次いだのに、その基本姿勢は代表質問の答弁でも変わらないのです。日本共産党の志位和夫委員長は衆院で、山下芳生書記局長は参院で、国民の切実な声に根ざし国政の重要課題を取り上げ、転換の道を示したのに首相はまともに答えようとしません。異論に反論する能力も意思もない安倍首相と、「亡国政治」の深刻な行き詰まりは明白です。
民主政治が成り立たない
国民の声に耳を貸さない安倍首相の強権姿勢を際立たせるのは、「海外で戦争する国」づくりを目指す集団的自衛権行使の問題です。7月の閣議決定に多くの国民が怒りと不安の声をあげているのに、閣議決定後初の国会でも首相はまともに説明しない不誠実さです。
志位氏が、集団的自衛権行使の狙いについて「日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもなく、アフガン・イラク戦争のような戦争で、自衛隊が米軍と肩を並べて戦争を行うことではないか」とただし、閣議決定の撤回と関連法案の立法作業中止を求めても、首相は「精力的に準備する」と居直りました。
日本共産党が提唱している、国際紛争の平和解決などを目指す「北東アジア平和協力構想」も首相は真剣に受け止めません。軍事に頼る首相の姿勢は平和の流れに逆らうものです。
日本経済をめぐる安倍首相の無責任ぶりもあらわです。今年4月の消費税増税で国内総生産(GDP)や家計消費が落ち込むなど、あらゆる経済指標が悪化している実態は、とても「想定内」などといえないと追及した志位氏に、首相の答弁はごまかしだけでした。
志位氏が、暮らしと日本経済を立て直すため(1)消費税再増税の中止(2)285兆円にのぼる大企業の内部留保の一部を使う大幅賃上げと雇用安定(3)社会保障切り捨てから充実への抜本的転換(4)能力に応じて負担する「応能負担原則」の税制改革―を提案しても、首相は破たん済みの「成長戦略」の推進に固執し、消費税再増税「中止」も明言しません。首相の姿勢は国民の暮らしと日本経済をさらに深刻にするものです。
首相は「オール福島」が求める県内全原発10基廃炉の願いにも背を向け、新たな「安全神話」で鹿児島県の川内(せんだい)原発再稼働に突き進む方針も鮮明にしました。沖縄・辺野古(へのこ)新基地建設を県民の意思を踏みにじって推進していることも「民主主義否定との指摘は当たらない」などと開き直りました。自らと違う意見を切り捨てる首相の姿勢こそ、民主政治そのものを危うくしている自覚もありません。
国民的大運動広げて
参院で山下氏が環太平洋連携協定(TPP)交渉からの撤退を迫っても、首相は受け入れません。
国民多数の声に背き、日本共産党の事実と道理にたった現実的な提案にも、まともに応じない首相に国のかじ取りを任せることはできないことは明らかです。国を滅ぼす「亡国の政治」からの転換が急務です。安倍内閣打倒の国民的大運動をさらに広げることが重要になっています。