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2014年10月1日(水)

主張

消費税増税6カ月

再増税の企ては直ちに中止を

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 消費税の税率が4月に5%から8%に引き上げられて、丸6カ月になります。消費税の増税が、もともと安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で痛めつけられていた国民の暮らしと経済をいっそう破壊したのは明らかです。にもかかわらず安倍政権は、1年後の来年10月から消費税の税率を10%にさらに引き上げる再増税を強引に進めようとしています。安倍首相は7〜9月期の経済指標を見極めてといいますが、増税をやめるとはいいません。増税断念に追い込む国民の運動が重要です。

反動減との見方は破たん

 安倍政権は4月以降の消費の落ち込みなど経済指標の悪化を、3月までの駆け込み需要の「反動」で、しばらくすればよくなるといってきましたが、7月以降も落ち込みは止まらず、政府自身が長期化を認めざるをえなくなっています。来年10月からの再増税を予定通り行うかを検討する点検会合も、11月末の予定を11月初めに前倒ししました。7〜9月期の国内総生産(GDP)統計の速報値にもとづいて判断するといっていたのも、GDP統計の改定値が出る12月上旬にならないと判断できないと言い出す始末です。

 4月の消費税増税後、消費が落ち込み売り上げが減っているのは、原則としてあらゆる商品やサービスに課税される消費税の増税が国民の購買力を奪っているためです。同時に、「アベノミクス」のもとで消費者物価が上昇し、労働者の賃金や高齢者の年金が目減りを続けていることも背景です。4〜6月期は春闘による賃金の改定があった時期ですが、賃上げが不十分で実質賃金の目減りを埋め合わせできておらず、正規雇用を中心に雇用の改善も立ち遅れています。「アベノミクス」がもたらしている弊害は明らかです。

 このうえ来年10月からの消費税の再増税が予定通り行われることになれば、消費がさらに落ち込み、経済がいっそう悪化し、国民の暮らしも経済も破たんしてしまいます。財務省の資料によれば、税率が4月から8%に引き上げられた今年度の消費税による増収は5兆円程度ですが、来年度は8兆円程度に増え、10月から10%に引き上げられれば増収は9兆円台半ば程度になります。10%の税率が丸々課税されるようになれば14兆円程度の増収です。それだけ国民の購買力が吸い上げられるわけで、国民生活が悪化し、経済が後退するのは免れません。

 安倍政権の中には、消費税を2段階で10%に引き上げるのはすでに決まったことであり、税率を引き上げなければ財政再建の努力が不十分だと国際的に不信を買うという声があります。しかし、安倍政権は消費税増税の一方で、大企業向けに法人税を大幅に引き下げようとしています。それこそ大企業優先そのもので、財政再建など口にする資格がありません。

国民の意思踏みにじるな

 時事通信の9月の世論調査で、消費税の再増税を「予定通り」との答えは20・9%にとどまり、「見送る」が39・2%、「反対」が37・6%を占めました。どの新聞やテレビの調査でも、再増税をやめるべきだというのが圧倒的です。

 消費税の再増税はこうした国民世論を踏みにじる点でも許されません。安倍政権に直ちに増税中止を約束させることが重要です。


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