2014年10月1日(水)
チリが法人税増税
教育の無償化・病院建設に
中道左派政権大統領 「不平等縮小めざす」
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【ポルトアレグレ〈ブラジル〉=松島良尚】2010年に経済協力開発機構(OECD)に加盟した南米チリで10月1日、法人税増税を中心とする税制改革法が施行されます。同国で中道左派政権を率いるバチェレ大統領は9月26日、法案に署名し、法人税増税を財源とする教育改革などを通じて「社会的不平等の縮小をめざす」と強調しました。
税制改革の柱は、大企業に対する現行20%の法人税率を2018年までに段階的に27%に引き上げることです。酒税引き上げなどで83億ドル(約9050億円)の税収増を見込んでいます。法人増税は中小企業の95%には適用されません。
大統領は「歴史的な日だ。税制改革はチリの包括的な発展の力強い手段になる」と指摘。税収増の約半分を教育の質的改善と無償化に充て、残りは病院建設など社会政策に活用します。教育改革には私立学校への援助も含まれます。
経済界からの反対を受け、5カ月にわたる国会論議で一定の修正も実施。大統領は、「これでルールが明確になった。手を携えて力強い成長を取り戻すすべての条件がそろった」と経済活性化を呼び掛けました。
バチェレ大統領は06年就任で、現在2期目。政権にはチリ共産党も入閣しています。