2014年9月29日(月)

「民主派」　香港金融街の占拠を宣言

選挙改革案に反対

　【北京＝小林拓也】中国政府が提示した香港行政長官の選挙制度改革案に反対する香港の「民主派」は２８日、香港島金融街の中環（セントラル）地区を占拠する抗議行動を始めると宣言しました。

　現地からの報道によると、デモ隊は政府本部付近から中環にかけての道路を遮断。抗議する市民・学生と警官隊のにらみ合いが続いているもようです。警察は、制止を無視して集会にスピーカーなどを持ち込もうとした民主派の立法会（議会）議員３人を公務執行妨害の疑いで逮捕しました。

　２８日未明、中環近くの政府本部前で開かれていた大集会で、「中環占拠」の発起人である戴耀廷氏が「政府本部占拠から行動を開始し、中環占拠を正式に始める」と宣言。民主派は、中国政府が示した長官選挙制度改革案について、政府に都合の悪い候補者を排除するものだとして撤回を求めています。

　選挙改革案をめぐっては、大学生ら１万人以上が２２日から抗議の授業ボイコットを開始したのを皮切りに、２６日からは中高生も参加し、抗議行動が拡大。２８日の大集会には学生や市民ら５万人が参加しました。

　２６日夜には、学生の一部が政府庁舎内に侵入し、警察と衝突。警察は２７日夜までに、学生団体のリーダーら７４人を逮捕しました。２９日以降も「中環占拠」の行動が続けば、混乱を恐れる警察当局が抗議行動を排除する可能性が高く、大規模な衝突も懸念されます。