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2014年9月28日(日)

きょうの潮流

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 学生の頃だったか。モンゴルの遊牧民を紹介した本を読み、異国の生活に思いをはせた記憶があります。果てなくひろがる大草原を、馬に乗って自在に駆け回る。ゲルと呼ぶテントを張り、家畜とともに移り住む▼そんな大自然のなかで生まれ育った若者が日本の大相撲に旋風を巻き起こしています。アルタンホヤグ・イチンノロブさん、21歳。しこ名の「逸(いち)ノ(の)城(じょう)」は、本名の一部をとって付けたといいます▼今年1月の初場所で、幕下付け出しデビュー。わずか2場所で新十両、さらに2場所で新入幕と、記録的な速さで出世を重ねました。そして今場所。まげも結えぬ姿で、横綱や大関をはじめ、並み居る上位陣を次々と破りました▼大横綱の白鵬には投げられましたが、1世紀ぶりとなる新入幕優勝の夢を千秋楽までつなぎました。100年前に成し遂げた力士は両国勇治郎。成績は9勝1休でした。今とは制度も異なることから逸ノ城の快進撃は前人未到ともいえるでしょう▼相撲強豪高校からのスカウトで4年前に来日。まったくの異文化で心身を磨いてきました。素直な性格ながら、土俵に上がれば獲物を狙うような鋭い眼光。192センチ、199キロの巨体を生かした冷静な取り口が光ります▼変化相撲はいただけませんが、いままでにないスケールの大きさ。逸材をさらに伸ばすためにも周りのきびしい目が必要でしょう。今場所は低迷しましたが、遠藤や照ノ富士といった若手の台頭が土俵をわかせています。そこに国籍はありません。


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