2014年9月27日(土)
米最低賃金 引き上げ またひとつ
ロス ホテル労働者15ドル超
【ニューヨーク=洞口昇幸】米国の労働者が最低賃金引き上げをまた一つ勝ち取りました。24日、米西部カリフォルニア州ロサンゼルス(人口386万人)の市議会(定数15)が、同市内の大規模ホテルの従業員の最低賃金を、時給15・37ドル(約1672円)に引き上げる法案を賛成多数で可決しました。およそ1万3000人のホテル労働者に対し来年の7月からこの最低賃金が実施される見通しです。米メディアが報じました。
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市議会が可決
最賃引き上げは、今年6月のワシントン州シアトル市などに続くもの。米国内では最賃引き上げの運動が高まり、これまでもいくつかの州・市で独自に時給10ドル以上の引き上げが実現してきました。今年は4月のメリーランド州、5月のミシガン州と相次ぎ、なかでもシアトル市では時給15ドルへと最賃を大幅に引き上げる法律が成立しました。オバマ政権も、政府の最賃規定時給7・25ドルを10・10ドルへと引き上げることを提案しています。
カリフォルニア州の最低賃金は時給9ドル。報道によると採決結果は賛成12、反対3でした。来年7月から客室300以上のホテルに、1年後に客室150以上のホテルを対象に引き上げが実施されます。少なくとも40のホテル、5300〜1万3500人の労働者への適用が見込まれています。
NBCテレビ電子版によると、採決を前にポール・コレッツ市議は「彼らは年に1万8000ドルしか稼いでいない。この額では(物価の高い)ロスで暮らせないことはだれでも知っている」と述べました。
市議会にはおそろいの黄色いシャツを着たホテル労働者が詰めかけ採決を見守りました。ハリウッドのホテルでベルボーイとして働き始めたばかりのエメリト・アベベドさんは「賃上げは、ロサンゼルスの労働者の生活条件改善に役立つでしょう」と語りました。
今回の最賃引き上げは、労組や多数の地元地域協議会が求めていました。市議会では、ホテル従業員とその家族を貧困から抜け出させるために、最賃引き上げが必要だという考えが大勢を占めました。
エリック・ガルセッティ市長は、法案に署名すると明言。さらにロサンゼルス市全体の最賃を2017年までに13・25ドルに引き上げたい意向です。