2014年9月26日(金)
テロ組織合流を規制
国連安保理、全会一致で決議
【ニューヨーク=島田峰隆】国連安全保障理事会は24日、首脳級会合を開き、イラクやシリアで勢力を広げるイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」などのテロ組織に加わる外国人戦闘員について、勧誘活動や出入国を規制するなどの措置を国連加盟国に求める決議を全会一致で採択しました。会合はオバマ米大統領が主宰し、約50カ国が参加しました。
オバマ氏によると、「イスラム国」などの過激派組織に80カ国以上から1万5千人を超える外国人が戦闘員として合流しています。
米国が主導してまとめた決議は、テロ活動やテロの訓練などの目的で外国に渡る人物の「勧誘、組織活動、出入国、準備活動を防ぎ、制御する」よう加盟国に要請。国内法規制を整備するよう求めています。テロ組織の動きについて各国が情報交換することなども要求しています。
意見表明で各国は「イスラム国」などの残虐行為を糾弾し、決議採択を歓迎。一方、多くの国が、貧困や経済格差、不当な占領などテロ組織が口実として利用する根本原因をなくす必要性を強調しました。
チリ代表は「強圧的な措置だけでテロはなくせない。根本原因に対処せねばならず、最も効果的な手段は教育の充実、不平等の根絶、弱い立場の人々との協力だ」と指摘しました。