2014年9月24日(水)
米軍がシリア空爆開始
「イスラム国」標的 泥沼化の危険も
【ニューヨーク=島田峰隆】米軍は現地時間23日、複数の「パートナー国」とともに、イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」などを標的に、シリア領内で空爆を始めました。内外の懸念の声にもかかわらず、空爆をイラクからシリアに拡大したことで、事態が泥沼化する危険も高まってきました。
中東を管轄する米中央軍によると、イスラム国への空爆は計14回で、本拠地のシリア北部ラッカなど4カ所。またアレッポ近郊で国際テロ組織アルカイダ系勢力に計8回の空爆を行いました。
米軍の戦闘機や爆撃機のほか、洋上から巡航ミサイル「トマホーク」を使って攻撃しました。作戦にはサウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタールの中東5カ国が参加。ただすべての国が空爆を行ったかどうかは不明です。
国防総省高官はメディアに対し、標的にしているのは武器弾薬の施設、訓練施設、司令部の建物などだと説明しました。
またシリア外務省は23日、領内への空爆について、米側から事前に通告されていたと明らかにしました。
オバマ米大統領は10日に行った国民向け演説で「イスラム国を最終的に壊滅させる」とし、「シリアにいるイスラム国に対して行動することもためらわない」と話していました。