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2014年9月15日(月)

主張

「敬老の日」

長寿を脅かす政治を変えよう

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 きょうは「敬老の日」です。長い人生を重ねた方々に心から感謝し、お祝いを申し上げます。さまざまな分野で活躍する高齢者は励みです。高齢者の知恵と経験にはいつも学ばされます。体力が衰え体が思うように動かせなくなっても“自分らしい老い”と向き合う多くの高齢者の暮らしを大事に支えたいものです。名実ともに「人生80年」が本格化した時代、個性豊かな高齢者が、「多彩な人生後半」を生き生きと過ごせる社会をつくることがいよいよ大切です。

誇るべき記録を更新

 日本の長寿社会の誇るべき記録がまたも塗り替えられました。昨年の平均寿命は、男性が初めて80歳を超えて世界4位に順位を上げるとともに、女性も過去最高の86・61歳に寿命を伸ばし2年連続で世界一となりました。今年100歳以上は約5万9000人で44年連続過去最多の更新です。

 統計を取り始めた約50年前、100歳以上の方は150人余でした。これほど長生きが可能な日本社会を築いたのは、医療技術の発展とあわせ、世界が注目する「国民皆保険」をはじめ健康・医療・福祉の仕組みの充実・発展を求める国民のたゆまぬ努力によるものであることは明らかです。

 重要なのは、戦後日本が憲法9条のもと「戦争する国」にすすむことを許さなかったことです。平和こそ長寿社会の最大の土台であることは、アジア・太平洋戦争終戦直後1947年の平均寿命が男性50・06歳、女性53・96歳だったことからも明らかです。

 それだけに「戦争する国」づくりへ暴走する安倍晋三政権に、多くの高齢者が不安と危機感を募らせ、憤りの声をあげています。戦争の悲惨な実態を、身をもって知る人たちからは、長年の沈黙を破り若い人たちに戦争体験を語り始める人も生まれています。

 「二度と繰り返したくない戦争の本当の姿を伝えることは、自分の義務」という方々は、いてもたってもいられない思いでしょう。「原発再稼働反対」「原発ゼロ」を求めるパレードや集会などに多くの高齢者が駆けつけるのも、子や孫の世代に安全な日本を引き継ぎたいという使命感からです。

 日本の将来を憂える“人生の先輩”の思いを受け止め、全世代が手をたずさえて安倍政権の暴走を阻むたたかいはいよいよ重要です。

 高齢者と家族の安心を覆す医療・介護大改悪は、福祉増進を国の責務とする憲法25条と相いれません。高齢者人口が増えることにともなう社会保障費増加を「脅威」と見なし「高齢化危機」をあおり、消費税増税と社会保障切り捨てを迫る安倍政権の姿勢は、国民の願いに完全に逆らうものです。いまを生きる高齢者を邪魔者扱いする政治は、次世代にも貧弱な社会保障しかもたらしません。政府や財界がふりまく「世代対立・分断」論に大義も道理もありません。

心かき乱す安倍政権ノー

 「敬老の日」を決めた半世紀前、高齢者に感謝するとともに「老後の精神的な安定」を願う日と政府は説明していました。平和の問題でも暮らしの問題でも、これほど命が粗末に扱われ、高齢者の「精神的安定」がかき乱されている時代があったでしょうか。安倍政権を一刻も早く退場させ、すべての世代が安心できる政治へ踏み出すことが急がれます。


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