2014年9月15日(月)
自衛隊オスプレイ導入
米軍需企業を救済か
防衛省は陸上自衛隊への垂直離着陸機オスプレイ17機の導入、2019年度までの佐賀空港配備を狙っています。「島しょ防衛」「災害支援」などを導入の目的に挙げていますが、オスプレイを製造する米軍需企業の救済という、もう一つの目的も見え隠れします。
米海軍省の15年度予算書によれば、米国防総省は17年度まで年間19機のペースで調達(購入)しますが、18年度以降は4機に落ち込む見通しです。空母搭載型のオスプレイ48機の配備計画にはまったく予算がついておらず、空軍のオスプレイも15年度以降、調達計画はありません。背景には、財政悪化による軍事費の強制削減があります。
ロイター通信(昨年11月19日記事)によれば、ボーイング社とともにオスプレイを製造しているベル・ヘリコプター社は12年、労働者1200人を解雇しました。同社のギャリソン最高経営責任者(CEO)は、「追加受注がない限り、さらなる人員削減が必要になる」と述べています。
このため、米国は海外への売り込みに活路を見いだそうとしています。イスラエルへの6機売却にめどがたちつつあると言います。さらに米当局者は、日本、アラブ首長国連邦、カナダ、サウジアラビア、カタール、イタリア、ブラジル、コロンビア、シンガポール、オーストラリアに説明を行っています。
ベル・ヘリコプター社のギャリソン氏は、「われわれの防衛装備品の国際セールスは米軍と防衛産業の双方にとって重要だ」と述べ、米当局にさらなる売り込みを求めています。
防衛省は来年度概算要求にオスプレイ導入経費を計上しました。日本は有力な市場になろうとしています。安倍政権の「亡国」ぶりを端的に示すものです。