「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年9月9日(火)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で基準に適合したとする審査書が近く決定されるといいます。ところが、ここへ来て、原子力規制委員会の会合で火山審査に根本的な疑問が出ています▼先週と先々週、巨大噴火の兆候をどのように監視するか、火山学者を集めて議論した検討会です。そこで相次いだのは「巨大噴火の時期や規模を予測するのは現在の火山学では極めて困難、無理」だとする意見。兆候を監視して対応する九電や規制委の考えを真っ向から否定しています▼川内原発が立地する南九州は、過去に巨大噴火を起こしたカルデラ(大きな窪地(くぼち))が集中しています。原発の敷地に火砕流が到達した可能性について「否定できない」と九電が認めたカルデラも三つあります。しかし、規制委は火山学者から直接意見を聞かずに審査書案をまとめました▼その審査書案。巨大噴火の影響を受ける可能性は「十分低い」と判断し、地殻変動などを監視し、巨大噴火の可能性があれば、原発の停止や燃料の搬出などを行うという九電の方針を「妥当」としました▼先の検討会では、審査の判断自体にも疑問が及びました。九電が南九州のカルデラの状態を判断する根拠にした海外の論文に対して、「これにだけ頼るのは非常に危険」とまで指摘されたのです▼東京電力福島第1原発事故では、全電源喪失の危険が指摘されていたのに、対策を取らなかったことが問われました。川内原発の議論を聞きながら、事故の教訓はどこへ、と考えざるを得ません。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって