2014年9月9日(火)
GDP年率7.1%減 4〜6月期
個人消費減 97年増税時超す
内閣府が8日発表した4〜6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1・8%減、年率換算で7・1%減となりました。速報値(前期比1・7%減、年率6・8%減)から下方修正されました。東日本大震災の影響で6・9%減となった2011年1〜3月期を超え、リーマン・ショック後の09年1〜3月期(年率15・0%減)以来のマイナス幅になりました。
速報値からの下方修正は、最新のデータを反映した結果、多くの項目でマイナス幅が拡大したためです。
企業の設備投資は先月の速報段階での前期比2・5%減から、5・1%減に修正され大幅な落ち込みとなりました。
大企業を優遇する「アベノミクス」効果で大企業は過去最高の利益をあげています。しかしその利益が経済をけん引する設備投資の拡大に向かっていません。
背景にあるのは内需の冷え込みです。GDPの約6割を占める「個人消費」は5・0%減から5・1%減に下方修正されました。年率換算では、19・0%減でした。前回の消費税増税直後(1997年4〜6月、13・2%減)を超え、過去20年間で最大の落ち込みとなりました。
実質雇用者報酬は、前年同期比で1・9%減少しました。収入の目減りが消費の冷え込みの原因となっています。
このほか主な項目では、「住宅投資」が前期比10・4%減、「輸出」は0・5%減に、それぞれ下方修正されました。
一方、民間在庫のGDP寄与度はプラス1・4%(速報値1・0%)に上方修正されました。電子・通信機器などの在庫積み上がりによるものです。
菅義偉官房長官は記者会見で、「景気は緩やかな回復基調が続いている」としました。しかし実際には、実質賃金が減り、消費が落ち込みGDPが落ち込むという悪循環に日本経済が直面していることを示しています。
|