2014年9月4日(木)
問われるDIOと国の責任
労働者ら怒りの連鎖
DIOジャパンのコールセンター子会社の相次ぐ閉鎖、給与未払いのあげくに解雇された元従業員たちのやり場のない怒りの連鎖が宮城県で労組(ユニオン)結成につながりました。企業と経営者の社会的責任がDIO社に、「人材育成事業」を委託した責任が国と自治体に問われています。
DIO社のコールセンター子会社は、東日本大震災からの「復興」に向けた「人材育成」を掲げた国の「緊急雇用創出事業」でスタートしました。2011年6月の宮城県登米市を皮切りに秋田、岩手、山形、福島の被災地を中心にわずか3年で全国11県19市町に相次いで設立。業務委託(1年間)期間中は人件費や設備費など運営に必要なすべてを国が助成します。
雇用創出事業を受託した自治体との協定には「最低5年は雇用を継続する」などと具体的に明記しているケースがみられます。
しかし、DIO社は総額で約43億円もの委託費を自治体から受け取りながら、「クライアント(顧客)からの受注が取れない」として13年後半から業績が悪化。「誘致の条件とは違う」と自治体の反発や、「生活できない」という従業員の訴えに、閉鎖・解雇の「通告」を強行しました。
DIO社の東京本社・愛媛本店はいずれも事実上の倒産状態です。19子会社中、宮城県の気仙沼コールセンターなど一部をのぞく大半のセンターが閉鎖、休止状態です。
DIOジャパンユニオン代表世話人の金田真名美さん(28)はこう力をこめました。
「震災後、パートで暮らしていたが母子家庭でもあり安定した仕事につきたいとコールセンターに入った。一生懸命がんばってスーパーアドバイザーにもなった。希望をもっていたのに給与は未払いになり事業所の閉鎖で裏切られた。給与もきちんと払って仕事も続けさせてほしい。そのためにたたかいたい」
(山本眞直)