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2014年9月3日(水)

きょうの潮流

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 古代ギリシャの医学者ヒポクラテスは、熱病マラリアの原因が沼地の悪い空気にあると述べていました。蚊による媒介が明らかになる19世紀末まで、人々はそう思ってきました▼マラリアの語源はイタリア語の「悪い空気」。現在のローマの玄関口レオナルド・ダビンチ空港周辺は沼地が多く、20世紀の初頭までは世界有数のマラリア流行地だったといいます(『疫病は警告する』)▼長く人類と格闘してきたマラリア。いまも中央アフリカでは年間50万人弱が脅威にさらされ、豪雨によって感染者が増大しています。西アフリカではエボラ出血熱が猛威をふるい、死者が最も多いリベリアでは1週間で新たに300人の感染者が確認されました▼世界保健機関(WHO)は感染が2万人をこえる恐れがあると警告。中東でひろがった「MERS(マーズ)」は欧米に飛び火しています。日本でも、熱帯地域で流行するデング熱が約70年ぶりに確認され、感染者が増えています▼海外に行ったこともない人が、国内でウイルスを持った蚊に刺されて感染する。ヒトやモノが大量に高速で移動し、世界が狭くなるほど、各地の疫病も身近になります。感染症の拡大を防ぐには各国が協力し合うしかないでしょう▼疫病とのたたかいは、医療や公衆衛生を推し進めてきました。しかし貧しい国々では環境や体制も整わず、いまだに多くの命が奪われています。世界を覆い恐怖を呼び覚ます感染症は、豊かさが偏った現代社会への警告なのかもしれません。


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