2014年8月30日(土)
土砂50万立方メートル 撤去難航
「道幅非常に狭く、大型重機投入できない」
広島土砂災害
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広島市北部の豪雨災害で大量に発生し、復旧活動の妨げになっている土砂の撤去。市河川課によると、推定体積は約50万立方メートルにのぼり、29日も、国や民間で作業を進めていますが、早急な撤去には困難もあります。
国土交通省中国地方整備局の担当者は「現場は道幅が非常に狭く、撤去を早めるための大型の重機やダンプを投入できない」と説明します。安佐南区八木・緑井地域での進ちょく率は、28日19時現在で39%。冠水の要因になっている八木用水路の土砂は、同省担当部分で半分近くが取り除かれました。
八木3丁目の息子宅で土砂や倒木を片付けていた女性(72)は、道脇に山積みされた土のうを見て、「ボランティアの方々も頑張ってくれているけれど…」とため息をつきました。敷地を支える石垣に大きなくぼみや亀裂が入り、その石垣が崩れれば真上の物置が道路側へ倒れる恐れがあるといいます。「復旧の人や車を危険にさらしている」と心配しつつ、片付けに追われ、手が付けられません。
民有地の土砂は、市が所有者の同意を得た上で撤去することになりました。仮置き場は、公園など安佐北・安佐南両区で7カ所(29日現在)に設置。安佐南区は「新たな民有地なども調整している」といいます。
最終処分地として、28日の市議会全員協議会で市は、臨海部の南区出島にある県の廃棄物処分場にすると表明しました。日本共産党の中原ひろみ市議団長は「とがったものが混じり、有害物質の流出を防ぐ遮水シートが破れる危険もある。安全な処分を県や市に求め、チェックしていきたい」と話しています。