2014年8月29日(金)
インドネシア「地熱発電法」可決
“活火山の力を電力に”
化石燃料依存脱却へ
インドネシア議会が26日、「地熱発電法」の改定案を可決しました。国内に127ある活火山付近での地熱発電開発の促進が目的。同国政府によるとインドネシアは推計で約2900万キロワット相当の地熱資源量があり、世界の約4割を占めます。
インドネシアの総発電設備容量は約3300万キロワット。地熱資源が生み出せる約2900万キロワットは、その9割近くになります。
ただ、同国のほとんどの活火山は、鉱業開発が禁止されている森林保護地域内にあります。これまでの地熱発電法は地熱を鉱業に分類していたため開発が進まず、地熱発電は約130万キロワットにとどまっていました。
改定法は地熱発電を鉱業から除外。ジェロ・エネルギー鉱物相は議会演説で、「地熱開発の新時代が開かれると期待している」と歓迎しました。
インドネシアは産油国で、天然ガスと石炭も世界有数の産出国。発電量の約9割をこれらの化石燃料に依存しています。
しかし、2004年に石油の純輸入国になった上に、温室効果ガスの削減も切迫した課題です。二酸化炭素などの温室効果ガスをほとんど排出しない地熱発電は、有力な代替エネルギーです。
ジャワ島中部に原子力発電所を建設する計画もありましたが、ユドヨノ大統領は10年に「国民の理解が得られない」として、計画を中止しました。
インドネシア政府は25年までに地熱発電を約950万キロワットに増やす計画です。
(面川誠)